欧州マーケットダイジェスト・27日 株高・金利上昇・円安

(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=131.65円(27日15時時点比△0.74円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.10円(△1.17円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0794ドル(△0.0029ドル)
FTSE100種総合株価指数:7471.77(前営業日比△66.32)
ドイツ株式指数(DAX):15127.68(△170.45)
10年物英国債利回り:3.366%(△0.083%)
10年物独国債利回り:2.227%(△0.098%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独Ifo企業景況感指数        93.3       91.1

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは上昇。「米地銀ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズは経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)を買収することで合意した」との報道が伝わると、金融システム不安に対する強い警戒感が和らぎ時間外のダウ先物や欧州株相場が上昇。投資家のリスク回避姿勢が後退し、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。先週末に大きく売られたドイツ銀行が大幅反発したことも投資家心理の改善につながり、一時1.0796ドルまで値を上げた。

・ドル円は底堅い動き。経営破綻したSVBの引受先が決まったほか、「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わったこともあり、金融システム不安に対する過度な警戒感が緩和。これまで進んでいたリスク・オフの動きが巻き戻される格好となり円売り・ドル買いが進んだ。米金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出て、一時131.75円と日通し高値を更新した。

・ユーロ円はしっかり。欧州の主要株価指数の上昇で投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、円売り・ユーロ買いが優勢となった。3月独Ifo企業景況感指数が93.3と予想の91.0を上回ったことも相場の支援材料となり、一時142.16円と日通し高値を更新した。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは急落。対ドルでは一時2万6543ドル前後まで下落したほか、対円では349万円台まで売られた。「米商品先物取引委員会(CFTC)は大手仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのチャンポン・ジャオ氏を規制違反の疑いで提訴した」との報道が嫌気されたもよう。なお、バイナンスが発行するバイナンスコインも下落した。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わり、時間外のダウ先物が上昇すると、英株にも買いが波及した。先週末に大きく売られたドイツ銀行の株価が反発し、欧州大手銀の株安懸念が和らいだことも投資家心理の改善につながった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。「米当局は地銀への緊急融資制度の拡充など支援策を検討している」と伝わり、時間外のダウ先物が上昇すると、独株にも買いが波及した。先週末に大きく売られたドイツ銀行の株価(6.15%高)が大幅に反発したことも投資家心理の改善につながった。

・欧州債券相場は下落。金融システム不安に対する過度な警戒感が和らいでおり、リスク回避を目的に買われていた独国債に売りが出た。

(中村)
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