欧州マーケットダイジェスト・21日 株高・金利上昇・円安

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.46円(21日15時時点比△1.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=142.59円(△1.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0764ドル(△0.0049ドル)
FTSE100種総合株価指数:7536.22(前営業日比△132.37)
ドイツ株式指数(DAX):15195.34(△261.96)
10年物英国債利回り:3.367%(△0.057%)
10年物独国債利回り:2.292%(△0.167%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独ZEW景況感指数          13.0        28.1
3月ユーロ圏ZEW景況感指数       10.0        29.7
1月ユーロ圏建設支出
前月比                3.9%      ▲2.3%・改
前年比                0.9%      ▲0.6%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。経営不安に陥っているスイス金融大手クレディ・スイスについて、前週末に同業のUBSが買収することで合意したほか、米連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中銀が米ドル資金供給の拡充で協調を決定。当局による一連の迅速な措置を受けて、欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らいだ。欧州株相場が大幅に続伸すると、投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
 また、イエレン米財務長官はシリコンバレー銀行(SVB)など経営破綻した中堅銀行2行の預金を全額保護したことに関して、「他の銀行でも預金の取り付け騒ぎが発生すれば、同様の措置を取る」と明言。金融システム不安の拡大を防ぐために断固とした対応を取る姿勢を示した。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0788ドルと2月14日以来の高値を付けた。

・ドル円は底堅い動き。欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らぐ中、欧州株相場が上昇するとリスク・オフの動きが巻き戻される格好となり円売り・ドル買いが先行した。イエレン米財務長官が「今後、金融不安が広がった場合に預金の全額保護という異例の措置を再び行う可能性がある」と述べたことで、米金融システム不安への警戒が後退したことも円売り・ドル買いを促した。3時前には一時132.60円と日通し高値を更新した。
 なお、このところ下げが目立っていたファースト・リパブリック・バンクはこの日、一時50%を超す急騰となった。

・ユーロ円はしっかり。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数が1.5%超上げたほか、ダウ平均が340ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いが優勢となった。一時142.79円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は続伸。スイス金融大手UBSによるクレディ・スイスの救済買収を好感した買いがこの日も続いた。HSBCやバークレイズなど金融株の上昇が目立ったほか、BPやシェルなどエネルギー株に買いが集まった。半面、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株は売られた。

・フランクフルト株式相場は続伸。欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らぐ中、金融株中心に買いが入った。個別ではコメルツ銀行(7.44%高)やドイツ銀行(6.05%高)、ハイデルベルグセメント(3.71%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。欧州株相場の上昇を受けて投資家のリスク回避姿勢が和らぐと、相対的に安全資産とされる独国債に売りが出た。

(中村)
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