欧州マーケットダイジェスト・29日 株高・金利上昇・円安

(29日終値:30日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.57円(29日15時時点比△0.67円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.79円(△0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0846ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:7564.27(前営業日比△80.02)
ドイツ株式指数(DAX):15328.78(△186.76)
10年物英国債利回り:3.472%(△0.016%)
10年物独国債利回り:2.329%(△0.039%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
4月独消費者信頼感指数(Gfk調査)  ▲29.5     ▲30.6・改
3月仏消費者信頼感指数         81        82
2月英消費者信用残高        14億ポンド   17億ポンド・改
2月英マネーサプライM4
前月比                ▲0.4%     1.2%・改
前年比                1.0%      2.6%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は堅調。欧米の金融システム不安や米景気減速に対する警戒感が和らぐ中、アジアや欧州の株式相場が軒並み上昇。米国株相場も反発して始まったことから、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが広がった。レジスタンスとして意識されていた一目均衡表雲の上限132.70円を上抜けて一時132.76円まで値を上げた。市場では「米連邦準備理事会(FRB)による利上げ停止や利下げ転換の時期が遠のくとの見方が高まっている」との声が聞かれた。

・ユーロドルは上値が重かった。カジミール・スロバキア中銀総裁はこの日、「ペースは遅くなる可能性があるが、利上げは継続すべき」などと発言。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を意識したユーロ買い・ドル売りが先行し、20時30分過ぎに一時1.0871ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。ユーロ豪ドルなどユーロクロスの失速につれたユーロ売り・ドル買いが出て、一時1.0824ドル付近まで下押しした。FRBが利下げに転換するとの期待が後退していることもユーロ売り・ドル買いを促した。

・ユーロ円は底堅い動き。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが強まると一時143.91円と日通し高値を付けた。その後の下押しも143.24円付近にとどまった。

・代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは上昇した。対ドルでは一時2万8638ドル前後まで上げたほか、対円では378万円台まで買われた。「米商品先物取引委員会(CFTC)は大手仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのチャンポン・ジャオ氏を規制違反の疑いで提訴」との報道をきっかけに急落した27日の下げを全て取り戻した。

・ロンドン株式相場は3日続伸。欧米の金融システム不安が後退する中、買いが優勢となった。中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団が香港株式市場で急伸したことなどを手掛かりに、本日のアジア株が上昇したことも相場の支援材料となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値を上げた。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。欧米の金融システム不安が一段と和らぎ、買い安心感が広がった。日本や中国などのアジア株相場の上昇も相場の追い風となった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(6.90%高)やボノビア(5.65%高)、アディダス(3.71%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ継続が意識されて独国債に売りが出た。

(中村)
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