ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ユーロドル、上昇

 30日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは上昇。終値は1.0905ドルと前営業日NY終値(1.0844ドル)と比べて0.0061ドル程度のユーロ高水準だった。金融システム不安の後退に伴って、欧州株相場が上昇するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。3月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を上回ったことが分かると、欧州中央銀行(ECB)が利上げを継続し、高い金利水準を維持するとの見方から、ユーロ買い・ドル売りが加速。22時30分前には一時1.0926ドルと日通し高値を付けた。ただ、23日の高値1.0930ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
 なお、コリンズ米ボストン連銀総裁はこの日、「米連邦準備理事会(FRB)は年内にあと1回利上げを実施し、その後は年末までその水準を維持する公算が大きい」との見通しを示したほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレはなお高すぎる。低下するには予想以上に時間がかかる」「インフレが続く場合、FRBはさらなる利上げが可能」などと発言。また、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレをより低下させるため、1年を通して金利を高く維持する必要がある」などと語った。

 ドル円は反落。終値は132.70円と前営業日NY終値(132.86円)と比べて16銭程度のドル安水準だった。欧米の金融システム不安や米景気減速に対する警戒感が和らぎ、欧米株価が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが優勢になった。22時過ぎには一時132.97円と日通し高値を更新した。
 ただ、22日の高値133.00円が戻りの目処として意識されると上値が重くなり、3時前には132.32円付近まで押し戻された。もっとも、米国株相場が底堅く推移したこともあって、下押しも限定的だった。

 ユーロ円は続伸。終値は144.70円と前営業日NY終値(144.07円)と比べて63銭程度のユーロ高水準。日本時間夕刻に一時143.14円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出たほか、予想を上回る独インフレ指標を受けて22時過ぎに一時145.08円と10日以来の高値を付けた。ただ、3時前には144.18円付近まで上げ幅を縮める場面があった。

本日の参考レンジ
ドル円:132.21円 - 132.97円
ユーロドル:1.0824ドル - 1.0926ドル
ユーロ円:143.14円 - 145.08円

(中村)
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