週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪・NZの金融政策に注目

◆RBA、市場予想は据え置きだが一部で利上げ予想も
◆RBNZ、声明文で文言の変化が見られるか
◆南ア、SARBは予想を上回る利上げを実施

予想レンジ
豪ドル円 87.00-92.00円
南ア・ランド円 7.10-7.60円

4月3日週の展望
 豪ドルは荒い値動きに注意が必要となりそうだ。欧米金融システム不安が和らいだこともあって、足もとでは投資家のリスク回避の動きも後退した。各国の金融政策に再び注目が集まるなか、4月4日には豪準備銀行(RBA)が金融政策を公表する予定となっている。

 前回分の議事要旨で「次回会合で利上げ休止について再検討する」などの見解が示されたことあり、市場予想は3.60%での据え置きとなっている。ただ、一部では追加利上げを予想する向きもあり、いずれの結果でも相場は大きな反応を示すことになりそうだ。

 また、同時に公表される声明文では5月以降の方向性を探る必要がある。市場からは4月の利上げ休止と5月の再利上げ、4月の利上げと5月の利上げ休止、4月と5月の連続利上げなど様々な見通しが伝わっており、現時点では先行きのシナリオが定まっていない。

 豪州からは来週、4月4日のRBA金融政策決定会合のほか、4月3日に2月住宅建設許可件数、4月6日に2月貿易収支が発表予定。4月7日はグッドフライデーで休場となる。

 隣国NZでは4月5日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が予定されている。短期金融市場では25bp利上げと5月以降の追加利上げも織り込んでおり、豪州と比較しても金利先高観は強い。前回の声明文では「金融状況をさらに引き締め続ける必要があることに同意」などの見解が示されていたが、今回の声明文で文言に変化が見られるか注目しておきたい。来週はNZも4月7日がグッドフライデーで休場となっている。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開か。30日には南アフリカ準備銀行(SARB)が市場予想(0.25%)を上回る利上げ(7.25%から7.75%へ)を決めたこともあり、足もとではZARの買い戻し基調が目立っている。テクニカル面で見てもZARは対ドル・対円でともに買い戻しを入れやすい状況にあるようだ。

 もっとも、SARBは声明文で「電力不足やインフレの上振れリスクなどを考慮すると、今後さらにZAR安が進む可能性がある」とも言及。「緩和的でなくなった」としている政策金利が今後の南ア経済を圧迫する可能性もあり、現在の状況が持続的なZAR買いにつながるのか、慎重に見極める必要がありそうだ。なお、来週は南アフリカから重要指標の発表は予定されていないが、他の国と同じく4月7日はグッドフライデーで休場となる。

3月27日週の回顧
 豪ドルはしっかり。金融システム不安が緩和し、株高とともにリスクオンの流れが強まった。クロス円が全般買い優勢となるなか、豪ドル円も堅調に推移。29日に発表された2月消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことで豪ドル売りが進む場面もあったが、相場への影響は一時的だった。ZARも堅調な動き。投資家のリスク志向改善を意識したZAR買いが先行した。30日にはSARBが予想外の大幅利上げを決定したこともあり、対ドル・対円でともにZAR買いが強まった。(了)
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