欧州マーケットダイジェスト・3日 原油急騰・株まちまち・金利低下・ドル安

(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=132.46円(3日15時時点比▲1.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.21円(△0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0887ドル(△0.0093ドル)
FTSE100種総合株価指数:7673.00(前営業日比△41.26)
ドイツ株式指数(DAX):15580.92(▲47.92)
10年物英国債利回り:3.430%(▲0.060%)
10年物独国債利回り:2.255%(▲0.037%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比                0.2%       0.7%
3月スイス製造業PMI          47.0       48.9
3月仏製造業PMI改定値         47.3       47.7
3月独製造業PMI改定値         44.7       44.4
3月ユーロ圏製造業PMI改定値      47.3       47.1
3月英製造業PMI改定値        47.9       48.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。アジア時間に一時133.76円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は次第に上値が重くなった。「OPECプラス」が2日に追加減産を表明したことを受けて、原油先物相場が急騰すると、対資源国通貨中心にドル売りが進行。対円でもドル売りが強まった。
 NY市場に入ると、3月米製造業PMI改定値や3月米ISM製造業景気指数が予想より弱い内容だったことが伝わり、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。前週末の安値132.59円を下抜けて一時132.21円まで値を下げた。もっとも、3月30日の安値でもある132.21円がサポートとして働くと下げ渋った。
 なお、ブラード米セントルイス連銀総裁は一部通信社とのインタビューで「OPECプラスによる減産決定は予想外だった。原油価格の上昇はインフレ抑制を目指す米金融当局の仕事を一段と難しくする可能性がある」と述べた。

・ユーロドルは底堅い。原油先物価格の上昇を背景に対資源国通貨中心にドル売りが強まると、ユーロに対してもドル売りが先行。低調な米経済指標をきっかけにドル売りが加速すると、一時1.0917ドルと日通し高値を更新した。ホルツマン・オーストリア中銀総裁が「5月に0.50%の利上げを実施する可能性はまだ残っている」と発言したこともユーロ買いを促した。

・ユーロ円は上値が重かった。ユーロドルの上昇につれた買いが先行し一時144.94円と日通し高値を付けたものの、ドル円の下落につれた売りが出ると徐々に弱含み、143.90円付近まで下押しした。

・カナダドルは堅調だった。「OPECプラス」の減産決定を受けて原油先物相場が急騰すると、産油国通貨のカナダドルに買いが集まった。低調な米経済指標を手掛かりに全般ドル売りが進んだ影響も受けて、対米ドルでは一時1.3421カナダドルと2月16日以来の高値を付けた。

・ロンドン株式相場は6日続伸。「OPECプラス」が2日に追加減産を表明したことを受けて、原油先物相場が急騰。BPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場の押し上げ要因となった。HSBCやバークレイズなど金融株も上げたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株も買われた。

・フランクフルト株式相場は6日ぶりに反落。原油先物価格の急騰を受けて、エネルギー価格高騰によるユーロ圏景気の減速懸念が高まると売りが優勢となった。個別ではメルク(2.33%安)やハノーバー再保険(2.33%安)、ザルトリウス(2.33%安)などの下げが目立った。半面、シーメンス・エナジー(4.35%高)やエアバス(1.46%高)などは買われた。

・欧州債券相場は上昇。原油高によるインフレ観測から、欧州中央銀行(ECB)が利上げを長期化するとの見方が強まると売りが先行した。ただ、米債高につれた買いが入ると持ち直した。

(中村)
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