ニューヨーク外国為替市場概況・5日 ドル円、3日続落

 5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は131.32円と前営業日NY終値(131.71円)と比べて39銭程度のドル安水準だった。前日の2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数に続き、この日発表の3月ADP全米雇用報告が予想を下回ると、米景気の先行きに対する懸念が高まりドル売りが先行した。3月米ISM非製造業指数が51.2と予想の54.5を下回ったことが伝わると、米金利の低下とともに円買い・ドル売りが活発化し、23時過ぎに一時130.64円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。一時は3.2627%前後と昨年9月12日以来約7カ月ぶりの低水準を記録した米10年債利回りが3.31%台まで低下幅を縮めたことが相場を下支えした。引けにかけては131.41円付近まで下値を切り上げた。
 なお、メスター米クリーブランド連銀総裁は「金利はもう少し上昇してから維持すると見込む」としながらも、「5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを実施する必要があるかどうかを判断するのは時期尚早」との認識を示した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0904ドルと前営業日NY終値(1.0953ドル)と比べて0.0049ドル程度のユーロ安水準だった。低調な米経済指標が相次いだことで米景気の先行き懸念が高まると、ユーロ買い・ドル売りが先行。23時過ぎに一時1.0967ドル付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値1.0970ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。欧州時間発表の独・仏・ユーロ圏の3月サービス部門PMI改定値が予想を下回ったことも引き続き意識されて、3時前には1.0891ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は続落。終値は143.12円と前営業日NY終値(144.26円)と比べて1円14銭程度のユーロ安水準。米景気減速への懸念が増す中、リスク回避の円買いが優勢になると一時142.68円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は162.78円、豪ドル円は87.64円、NZドル円は82.53円、カナダドル円は97.10円、スイスフラン円は144.46円、南アフリカランド円は7.25円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:130.64円 - 131.84円
ユーロドル:1.0891ドル - 1.0970ドル
ユーロ円:142.68円 - 144.45円

(中村)
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