東京為替見通し=ドル円、明日発表の米3月雇用統計への警戒感から上値が重い展開か
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、3月ADP全米雇用報告と3月米ISM非製造業指数が予想を下回ったことで、130.64円まで続落した。もっとも、米10年債利回りが低下幅を縮めたことで131.41円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは低調な米経済指標を受けて1.0967ドル付近まで上昇した後、1.0891ドルまで反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日発表される米3月雇用統計への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、三役逆転の強い売りシグナルが点灯しており、3月31日に発生した雲のねじれが、ドル高からドル安への「変化日」になった可能性が高まりつつある。132円台の抵抗帯として、日足一目均衡表・転換線132.09円、一目均衡表・雲の下限132.16円、21日移動平均線132.48円、90日移動平均線132.94円が控えている。
本日は、昨日の高値131.84円や5日移動平均線の131.93円を抵抗線にして、戻り売りスタンスで臨むことになる。
明日発表される米3月非農業部門雇用者数は、前月比+23.5万人と予想されており、2月の前月比+31.1万人から増加幅の減少が見込まれている。米3月の雇用関連指標は以下の通り悪化傾向にあるため、ネガティブサプライズに要警戒となる。米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、2月のデータだが、993.1万件となり、2021年5月以来の1000万件割れとなっており、3月の求人件数も悪化している可能性が警戒されている。
【3月】 【2月】
【改善】
・新規失業保険申請件数(3/12週):19.1万件 19.2万件
【悪化】
・ISM製造業雇用指数:46.9 49.1
・ISM非製造業雇用指数:51.3 54.0
・失業保険継続受給者数(3/12週):168.9万人 164.9万人
・ADP全国雇用者数:+14.5万人 +26.1万人
・消費者信頼感指数(雇用):38.8% 41.5%(※職が十分-雇用が困難)
昨日、日本銀行は、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差である「需給ギャップ」が、昨年10-12月期にマイナス0.43%になったとの試算を発表した。供給が需要を上回るマイナスは11期連続となる。「需給ギャップ」がマイナスということは、総需要より総供給が多いことを意味するため、「デフレギャップ」と呼ばれ、景気の停滞を示唆し、物価が下落する要因となる。「デフレギャップ」が11四半期、約3年間続いてきたことは、黒田日銀総裁が政策金利をマイナス(▲0.10%)に抑えてきた要因の一つだと推察できるため、来週からの植田日銀総裁による日銀新体制の船出に向けた負の遺産になるのかもしれない。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、明日発表される米3月雇用統計への警戒感から上値が重い展開が予想される。
ドル円の一目均衡表でのテクニカル分析では、三役逆転の強い売りシグナルが点灯しており、3月31日に発生した雲のねじれが、ドル高からドル安への「変化日」になった可能性が高まりつつある。132円台の抵抗帯として、日足一目均衡表・転換線132.09円、一目均衡表・雲の下限132.16円、21日移動平均線132.48円、90日移動平均線132.94円が控えている。
本日は、昨日の高値131.84円や5日移動平均線の131.93円を抵抗線にして、戻り売りスタンスで臨むことになる。
明日発表される米3月非農業部門雇用者数は、前月比+23.5万人と予想されており、2月の前月比+31.1万人から増加幅の減少が見込まれている。米3月の雇用関連指標は以下の通り悪化傾向にあるため、ネガティブサプライズに要警戒となる。米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、2月のデータだが、993.1万件となり、2021年5月以来の1000万件割れとなっており、3月の求人件数も悪化している可能性が警戒されている。
【3月】 【2月】
【改善】
・新規失業保険申請件数(3/12週):19.1万件 19.2万件
【悪化】
・ISM製造業雇用指数:46.9 49.1
・ISM非製造業雇用指数:51.3 54.0
・失業保険継続受給者数(3/12週):168.9万人 164.9万人
・ADP全国雇用者数:+14.5万人 +26.1万人
・消費者信頼感指数(雇用):38.8% 41.5%(※職が十分-雇用が困難)
昨日、日本銀行は、日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差である「需給ギャップ」が、昨年10-12月期にマイナス0.43%になったとの試算を発表した。供給が需要を上回るマイナスは11期連続となる。「需給ギャップ」がマイナスということは、総需要より総供給が多いことを意味するため、「デフレギャップ」と呼ばれ、景気の停滞を示唆し、物価が下落する要因となる。「デフレギャップ」が11四半期、約3年間続いてきたことは、黒田日銀総裁が政策金利をマイナス(▲0.10%)に抑えてきた要因の一つだと推察できるため、来週からの植田日銀総裁による日銀新体制の船出に向けた負の遺産になるのかもしれない。
(山下)