東京為替見通し=ドル円、上値が重い展開か 米3月雇用統計への警戒感高まる

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は131円付近を下押し水準に131.90円まで反発した。米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数が予想より悪かったが売りは限定された。米10年債利回りが低下幅を縮め、持ち高調整が進んだ。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を意識したユーロ買いなどで1.0938ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は今夜発表される米3月雇用統計への警戒感から上値が重い展開が予想される。なお復活祭休暇で多くの市場が休場となり、流動性の薄さにも注意したい。

 8時50分には、本邦3月上中旬の貿易収支が発表予定。3月上旬の貿易赤字は6663億円と発表されており、赤字幅は昨年同時期の2087億円の約3倍まで達した。昨年3月貿易赤字は4649億円であり、今年は上旬分だけで昨年3月分を上回っていることになる。貿易赤字の拡大による本邦実需筋からの円売り圧力の強さが窺える。

 今夜発表の米3月非農業部門雇用者数は、前月比+23.9万人と予想されており、2月の前月比+31.1万人から増加幅の減少が見込まれている。

 なお労働省が、米新規失業保険申請件数の季節調整の手法を変更したことで、これまで発表された数字が上方修正された。3月雇用統計は同月12日週が調査対象週だが、失業保険継続受給者数は従来発表の168.9万人から181.7万人へ修正されている。

 市場関係者は、今年になってから大型レイオフが相次いでいたものの、失業保険の申請件数が減少傾向にあったことに頭を悩ませていた。しかし、今回の季節調整の手法の変更により、労働市場の状況が正確に反映される可能性があるため、今夜の雇用統計へのネガティブサプライズを警戒すべきなのかもしれない。

 米国3月の雇用関連指標は、以下の通りやや悪化。
            【3月】     【2月】
【改善】
・新規失業保険申請件数(3/12週):19.1万件 19.2万件
・チャレンジャー人員削減予定数:319.4%  +410.1%
【悪化】
・ISM製造業雇用指数:46.9      49.1
・ISM非製造業雇用指数:51.3     54.0
・失業保険継続受給者数(3/12週):181.7万人 164.9万人
・ADP全国雇用者数:+14.5万人    +26.1万人
・消費者信頼感指数(雇用):38.8%   41.5%(※職が十分-雇用が困難)

(山下)
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