NY為替見通し=閑散取引の中での米3月雇用統計のサプライズに要警戒か

 本日のニューヨーク為替市場では、多くの欧米諸国がグッドフライデー(聖金曜日の祝日)で休場で閑散取引の中、米3月雇用統計のサプライズに警戒する展開となる。

 米国3月の雇用関連指標は、以下の通りにやや悪化傾向が示されている。

            【3月】     【2月】
【改善】
・新規失業保険申請件数(3/12週):19.1万件 19.2万件
・チャレンジャー人員削減予定数:319.4%  +410.1%
【悪化】
・ISM製造業雇用指数:46.9      49.1
・ISM非製造業雇用指数:51.3     54.0
・失業保険継続受給者数(3/12週):181.7万人 164.9万人
・ADP全国雇用者数:+14.5万人    +26.1万人
・消費者信頼感指数(雇用):38.8%   41.5%(※職が十分-雇用が困難)

 2021年5月以来の低水準となる993.1万件まで減少してネガティブサプライズとなった米雇用動態調査(JOLTS)求人件数は、2月の数字であり、3月まで減少傾向が続いていた場合は、非農業部門雇用者数もネガティブサプライズの可能性があることで、要警戒となる。
 パウエルFRB議長が注視している失業者1人に対する求人件数は1.67件に減少しており、21年11月以来の少なさを記録していた。

 また、米労働省が、米新規失業保険申請件数の季節調整の手法を変更したことで、これまで発表された数字が上方修正された。3月雇用統計は、3月12日週が調査対象週だが、失業保険継続受給者数は、従来発表の168.9万人から181.7万人へ上方修正されている。

 市場関係者は、今年になってから大型レイオフが相次いでいたものの、失業保険の申請件数が減少傾向にあったことに頭を悩ませていた。しかし、今回の季節調整の手法の変更により、労働市場の状況が正確に反映される可能性があるため、今夜の雇用統計へのネガティブサプライズを警戒すべきなのかもしれない。


想定レンジ上限
・ドル円は、まず、一目・雲の下限の132.16円、その上が一目・基準線133.78円。

想定レンジ下限
・ドル円は、まず、4月5日安値130.64円、その下は、3月24日の安値129.64円。



(山下)
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