NY為替見通し=米インフレ指標を確認、前回は予想比上振れ

 本日のニューヨーク為替市場では、まずは米国のインフレ指標を確認することになる。米連邦準備理事会(FRB)が物価動向を判断するうえで重要視している個人消費支出(PCE)デフレーターを受け、短期金融市場が織り込んでいる年後半の利下げに変化があるか注目したい。

 日本時間21時30分に発表される2月米PCEデフレーター(前年比)は市場予想5.1%と上振れた前回から鈍化見込み。同コアデフレーターは前月比で減速が見込まれているものの、コア前年比は予想をしっかり上回った1月分4.7%から横ばいの見込みだ。

 CMEのFedWachをみると市場が期待しているのはインフレの落ち着き。しかしながら、もし1月同様に加速ともなれば、パウエル米連邦準備理事会(FRB)が22日の定例記者会見で述べた「FRB当局者らは今年の利下げを見込んでいない」が現実味を帯びてくる。

 PCEと同じ時間にカナダからは1月GDP(予想:前月比0.3%/前年比2.9%)が発表される。こちらは前月比/前年比ともに2月から強い数値が見込まれている。月次GDPのため市場インパクトは薄いかもしれないが、こちらも結果を受けたカナダ金利に目を向けておきたい。なお短期金融市場は、カナダ中銀の利上げは打ち止め、秋以降は利下げを織り込んでいる。

 なお本日は月末・四半期末のため、ロンドンフィキシング(日本時間24時)にかけて普段より大きめのフローが持ち込まれる可能性には留意したい。

想定レンジ上限
・ドル円は3月レンジの半値133.78円を超えると、月レンジの下値からの61.8%戻し134.75円が意識される。ドル/カナダドル(CAD)は28日高値1.3695CAD。

想定レンジ下限
・ドル円は30日安値132.21円、ドル/カナダドルは日足一目均衡表・雲の下限1.3467CAD。


(小針)
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