NY為替見通し=先週末の米雇用統計へ、NY勢が改めて示す反応を確認したい

 NYタイム、ドル円は欧州勢不在で取引が薄いなか、先週末の米雇用統計に対して、NY勢が改めて示す反応を確認することになる。取引が薄いなか、不安定に上下するリスクにも注意したい。

 19時過ぎからの植田日銀新総裁による就任会見では、「物価の安定と金融システムの安定に力を尽くす」「いかに工夫をこらして金融緩和を継続するかが課題」などの見解が示され、市場はやや円安方向で反応。

 会見に先がけ、岸田首相と官邸で会談した植田総裁が、「(岸田首相との会談で)政府との共同声明、直ちに見直すことはないと一致」と発言していたことも、急速な緩和措置の巻き戻しへの過度な警戒感を和らげたようだ。

 一方、先週末の雇用者数がおおむね予想通りの内容だった米雇用統計の発表後に、米政策金利据え置き予想優位の状態から、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)における0.25%利上げ予想の確立が71.2%(据え置き見通し28.8%)へ上昇と、急激に変化した。景気後退への過度な警戒感が後退したことが背景だが、据え置き見通しが根強かったことに対し、取引が薄いなかで巻き戻しが急激に進み過ぎた感もある。

 米債券市場が短縮取引で流動性が低いなか、限られた時間内で米10年債利回りが3.4%へ急上昇したことへの反動から、米金利が低下方向へ押し戻されることや、ドルの戻り売りが強まるリスクも想定しておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、本日10日東京タイム高値132.80円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、先週末7日安値131.53円。

(関口)
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