ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、3日続伸

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は133.61円と前営業日NY終値(132.16円)と比べて1円45銭程度のドル高水準だった。前週末発表の3月米雇用統計が米労働市場の底堅さを示す内容だったことから、米連邦準備理事会(FRB)が5月に追加利上げを実施するとの観測が広がる中、連休明けのNY勢がドル買いで参入した。植田和男日銀総裁が就任記者会見で、現行の大規模金融緩和策について「継続することが適当」と述べたことも相場の支援材料となり、24時前に一時133.87円と3月15日以来の高値を付けた。その後の下押しも133.55円付近にとどまった。

 ユーロドルは続落。終値は1.0859ドルと前営業日NY終値(1.0905ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ安水準だった。前週末の米雇用統計の結果を受けてFRBが5月に追加利上げを行うとの見方が高まると、全般ドル買いが進行。前週末の安値1.0877ドルを下抜けて一時1.0831ドルまで値を下げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.81まで上昇した。
 なお、デコス・スペイン中銀総裁は「ユーロ圏のコアインフレは年内は高止まりする見通し」「3月発表の基調シナリオが確認されれば、金融政策の面で実施すべきことはまだある」などと発言し、欧州中央銀行(ECB)の追加利上げを示唆したものの、相場の反応は限られた。

 ユーロ円は3日続伸。終値は145.11円と前営業日NY終値(144.09円)と比べて1円02銭程度のユーロ高水準。植田日銀総裁が会見で「現行の長短金利操作(YCC)やマイナス金利など、大規模緩和を継続することが適切」との考えを示すと、全般円売りが優勢となった。5時過ぎに一時145.16円まで上値を伸ばした。

本日の参考レンジ
ドル円:131.83円 - 133.87円
ユーロドル:1.0831ドル - 1.0917ドル
ユーロ円:143.81円 - 145.16円

(中村)
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