欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ドル安

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.37円(12日15時時点比▲0.43円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.60円(△0.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0992ドル(△0.0057ドル)
FTSE100種総合株価指数:7824.84(前営業日比△39.12)
ドイツ株式指数(DAX):15703.60(△48.43)
10年物英国債利回り:3.570%(△0.028%)
10年物独国債利回り:2.370%(△0.059%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは上昇。米重要指標の発表を控えてしばらくは1.09ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、3月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.1%/前年比5.0%と予想の前月比0.2%/前年比5.2%を下回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がり全般ドル売りが優勢になった。ホルツマン・オーストリア中銀総裁が「欧州中央銀行(ECB)は5月の理事会で0.50%の利上げが必要となる可能性」との考えを改めて示したことも相場の支援材料となり、一時1.1000ドルと2月2日以来の高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.45まで低下した。

・ドル円は下げ渋り。3月米CPI総合が予想を下回ったことをきっかけに、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。前日の安値132.97円を下抜けて一時132.74円まで下落した。
 ただ、エネルギーと食品を除くコア指数が市場予想通りの結果となったことから、一本調子で下落する展開にはならなかった。米10年債利回りが上昇に転じると買い戻しが強まり、133.40円付近まで下値を切り上げた。一目均衡表雲の下限132.57円がサポートとして働いた面もあった。
 なお、市場では「5月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では引き続き0.25%の利上げが見込まれるものの、6月には利上げが停止される可能性が高まった」との声が聞かれた。

・ユーロ円はしっかり。米CPIの下振れを受けてドル円が下落するとユーロ円にも売りが波及し一時145.79円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値145.77円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧米株価の上昇に伴うリスク・オンの円売り・ユーロ買いも出て、2時過ぎには146.67円と昨年12月15日以来約4カ月ぶりの高値を更新した。

・ロンドン株式相場は4日続伸し、3月9日以来約1カ月ぶりの高値で取引を終えた。米景気悪化への過度な警戒感が後退する中、原油先物相場の上昇などを背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場の押し上げ要因となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は3日続伸し、昨年1月以来1年3カ月ぶりの高値となった。米景気悪化への過度な警戒感が後退する中、株買いが優勢となった。3月米CPIの下振れを受けて一段高となる場面もあった。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(3.83%高)やBMW(1.74%高)、ボノビア(1.71%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。欧州株相場の上昇を受けて、相対的に安全資産とされる独国債に売りが出た。

(中村)
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