欧州マーケットダイジェスト・13日 株高・金利上昇・ドル安

(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.57円(13日15時時点比▲0.72円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=146.53円(△0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1052ドル(△0.0069ドル)
FTSE100種総合株価指数:7843.38(前営業日比△18.54)
ドイツ株式指数(DAX):15729.46(△25.86)
10年物英国債利回り:3.575%(△0.005%)
10年物独国債利回り:2.372%(△0.002%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.8%       0.8%
前年比                7.4%       7.4%
2月英国内総生産(GDP、前月比)    0.0%     0.4%・改
2月英鉱工業生産指数(前月比)    ▲0.2%    ▲0.5%・改
   製造業生産高(前月比)     0.0%     ▲0.1%・改
2月英商品貿易収支     175.34億ポンドの赤字 160.93億ポンドの赤字・改
2月英貿易収支       48.05億ポンドの赤字  34.88億ポンドの赤字・改
2月ユーロ圏鉱工業生産
前月比                1.5%     1.0%・改
前年比                2.0%      0.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。前日に伝わったデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁やホルツマン・オーストリア中銀総裁のタカ派的な発言を受けて、この日もECBの利上げ継続を意識した買いが先行した。2月3日の高値1.1033ドルがレジスタンスとして意識されると、いったんは伸び悩んだものの、3月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると再び買いが優勢に。1.1033ドルを上抜けると上昇に弾みが付き、23時前に一時1.1068ドルと昨年4月以来1年ぶりの高値を付けた。
 なお、本日はナーゲル独連銀総裁が「コアインフレはまだ高い」「金融政策についてまだやることがある」と発言したほか、ウンシュ・ベルギー中銀総裁が「我々はまだ行動する必要がある」と述べたと伝わった。

・ドル円は下げ渋り。21時過ぎに一時133.39円と日通し高値を付けたものの、その後失速した。前日発表の3月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の3月米PPIが下振れたことで、米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの見方が広がった。米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢になると、一時132.02円と日通し安値を付けた。
 ただ、節目の132.00円手前では押し目買いなどが入ったため下げ渋った。米長期金利が上昇に転じたことも相場を下支えした。

・ユーロ円はドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。ECB高官のタカ派的な発言を受けて、欧利上げ長期化観測が高まると一時146.89円と昨年11月9日以来の高値を付けた。ただ、ドル円の下落につれた出ると一時146.08円と日通し安値を付けた。もっとも、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。

・ロンドン株式相場は5日続伸し、3月9日以来約1カ月ぶりの高値で取引を終えた。中国で発表された3月貿易統計でドル建ての輸出が増加し、中国景気の回復期待が改めて広がると英株にも買いが波及した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が上げたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株に買いが入った。

・フランクフルト株式相場は4日続伸し、昨年1月以来1年3カ月ぶりの高値となった。米物価指標の下振れで、インフレ懸念がやや後退し独株にも買いが入った。個別ではメルク(3.30%高)やザランド(2.55%高)、インフィニオン・テクノロジーズ(1.98%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。欧州株相場の上昇を受けて、相対的に安全資産とされる独国債に売りが出た。

(中村)
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