週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、成長見通し下方修正を意識
◆豪ドル、豪・米両国インフレ低下でトレンドが出にくい
◆豪ドル/NZドル、NZのCPI次第では年初来安値を更新も
◆ZAR、IMFの経済見通しでは主要国の中で南アを最大に下方修正
予想レンジ
豪ドル円 87.00-92.00円
南ア・ランド円 6.90-7.40円
4月17日週の展望
豪ドルは、方向感なくもみ合となりそうだ。先週の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策を金融引き締めから据え置きへと転換させた。ただ、今週発表された3月の米CPIが市場予想を下回り、米国のインフレ低下傾向が鮮明になっていることで、米連邦準備理事会(FRB)も5月以後は政策金利を据え置き年後半からは利下げに転じるとの予想が高まっている。豪米両国の金融政策が同方向に向かっていることで、大きなトレンドを作るのは難しそうだ。
豪ドルを支える要因としては、株式市場が堅調さを継続させた場合はリスク選好に反応して買われやすいこと。また、中国が高関税をかけていた豪州産大麦に対して、11日に両国間で解決に向けた合意に至ったことなどがあげられる。一方で、上値を抑える要因としては、ロウRBA総裁などから若干ハト派的発言が目立ってきていること。更には、金融機関が保守的に動いていることで、リスク回避の動きが継続される可能性などがあげられる。売買の上下両方向の材料に対して注目度合いが激しく変わる可能性があり、来週はトレンドが出にくいかもしれない。
なお経済指標などのイベントでは、18日に今月行われたRBA理事会の議事要旨公表、20日に1‐3月期のNAB企業信頼感指数が公表される。また、NZドルからは、20日に1‐3月期のCPIが発表予定。依然としてNZ準備銀行(RBNZ)は金融引き締めを継続していることで、CPIが予想を上振れた場合は、再び豪ドル/NZドルが年初来安値を更新する可能性がある。
南アフリカ・ランド(ZAR)の上値は限定的となりそうだ。ZARの重さの要因は複数あるが、金融危機の影響などで南アへの投資が減少しているなどの国外の要因。そして、今週、国際通貨基金(IMF)が発表した世界経済見通しでも、南アが主要国の中で最大の下方修正(前回から1.1%減少し+0.1%予想)となったように、経済に対して悲観的な声が多いといった国内要因がある。緩和されていた電力の負荷制限が今週からステージが引き上げられたことも、ネガティブ要因。
来週の経済指標では19日に3月CPI、2月小売売上高などが発表予定。CPIが注目となるが、3月と4月はエネルギー基準価格が比較的低い水準で抑えられた反面、5月の基準価格が原油価格の上昇とZAR安が要因で、大幅上昇になるとの予想がある。3月CPIが仮に予想よりも弱い場合でも市場の反応は限定的となるかもしれない。
4月10日週の回顧
豪ドルは対ドル、対円ともに上昇した。3月豪雇用統計は失業率と新規雇用者数が予想よりも強い内容となったことで、豪中期金利が上昇するとつれ高になった。先週のRBA会合前の水準まで値を戻すかたちとなっている。対円では、植田日銀総裁が就任記者会見で、現行の大規模金融緩和策について「継続することが適当」と述べたことも支えとなった。
ZARは底堅い動きだった。IMFが南アの経済成長予測を大幅に引き下げるなど、南ア経済の先行きの懸念が上値を抑えたものの、週末にかけては株価の上昇を受けたリスクオンの動きから値を戻している。(了)
◆豪ドル/NZドル、NZのCPI次第では年初来安値を更新も
◆ZAR、IMFの経済見通しでは主要国の中で南アを最大に下方修正
予想レンジ
豪ドル円 87.00-92.00円
南ア・ランド円 6.90-7.40円
4月17日週の展望
豪ドルは、方向感なくもみ合となりそうだ。先週の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策を金融引き締めから据え置きへと転換させた。ただ、今週発表された3月の米CPIが市場予想を下回り、米国のインフレ低下傾向が鮮明になっていることで、米連邦準備理事会(FRB)も5月以後は政策金利を据え置き年後半からは利下げに転じるとの予想が高まっている。豪米両国の金融政策が同方向に向かっていることで、大きなトレンドを作るのは難しそうだ。
豪ドルを支える要因としては、株式市場が堅調さを継続させた場合はリスク選好に反応して買われやすいこと。また、中国が高関税をかけていた豪州産大麦に対して、11日に両国間で解決に向けた合意に至ったことなどがあげられる。一方で、上値を抑える要因としては、ロウRBA総裁などから若干ハト派的発言が目立ってきていること。更には、金融機関が保守的に動いていることで、リスク回避の動きが継続される可能性などがあげられる。売買の上下両方向の材料に対して注目度合いが激しく変わる可能性があり、来週はトレンドが出にくいかもしれない。
なお経済指標などのイベントでは、18日に今月行われたRBA理事会の議事要旨公表、20日に1‐3月期のNAB企業信頼感指数が公表される。また、NZドルからは、20日に1‐3月期のCPIが発表予定。依然としてNZ準備銀行(RBNZ)は金融引き締めを継続していることで、CPIが予想を上振れた場合は、再び豪ドル/NZドルが年初来安値を更新する可能性がある。
南アフリカ・ランド(ZAR)の上値は限定的となりそうだ。ZARの重さの要因は複数あるが、金融危機の影響などで南アへの投資が減少しているなどの国外の要因。そして、今週、国際通貨基金(IMF)が発表した世界経済見通しでも、南アが主要国の中で最大の下方修正(前回から1.1%減少し+0.1%予想)となったように、経済に対して悲観的な声が多いといった国内要因がある。緩和されていた電力の負荷制限が今週からステージが引き上げられたことも、ネガティブ要因。
来週の経済指標では19日に3月CPI、2月小売売上高などが発表予定。CPIが注目となるが、3月と4月はエネルギー基準価格が比較的低い水準で抑えられた反面、5月の基準価格が原油価格の上昇とZAR安が要因で、大幅上昇になるとの予想がある。3月CPIが仮に予想よりも弱い場合でも市場の反応は限定的となるかもしれない。
4月10日週の回顧
豪ドルは対ドル、対円ともに上昇した。3月豪雇用統計は失業率と新規雇用者数が予想よりも強い内容となったことで、豪中期金利が上昇するとつれ高になった。先週のRBA会合前の水準まで値を戻すかたちとなっている。対円では、植田日銀総裁が就任記者会見で、現行の大規模金融緩和策について「継続することが適当」と述べたことも支えとなった。
ZARは底堅い動きだった。IMFが南アの経済成長予測を大幅に引き下げるなど、南ア経済の先行きの懸念が上値を抑えたものの、週末にかけては株価の上昇を受けたリスクオンの動きから値を戻している。(了)