株式明日の戦略-売りをこなしてプラス転換、下振れリスクが大きく後退

 20日の日経平均は反発。終値は50円高の28657円

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1027/値下がり702。アドバンテスト、東京エレクトロン、SCREENなど半導体製造装置株が強い上昇。ファストリやキーエンスなど値がさ株の動きが良かった。百貨店株が3月訪日外客数に好反応を示し、高島屋、松屋、Jフロントなどが大幅上昇。預かり資産8000億円を突破したと発表したウェルスナビや、前期の利益見通しを引き上げた八洲電機が買いを集めた。新株予約権の行使状況を公表したQDレーザはストップ高まで買い進まれた。

 一方、アイスペースやAbalanceが商いを伴って大幅安。半導体関連は買われるものが多かった中、レーザーテックは売りに押された。クレディスイスからの提訴観測が伝わったソフトバンクGが下落。商品安を受けて市況関連が嫌われる中、三井物産や三菱商事など商社株が軒並み安となった。為替は円安に振れたものの、トヨタ、ホンダ、スズキなど自動車株は軟調。今期の見通しが失望を誘ったいちごが急落した。

 本日スタンダードに新規上場した南海化学は、高い初値をつけた後も買いが続いてストップ高で終えた。

 日経平均は3桁下落スタートからプラス転換。あすの動向を占う意味で、きょうのプラスは大きい。きょう3桁下落で28500円も割り込んでいた場合には、頭打ち感が出てくることで、週末はリスク回避の売りに押されやすくなっていたであろう。しかし、崩れることはなく、28500円より下での買い意欲の強さが確認できた。

 米国では決算を発表したテスラが時間外で下落したが、これに対するネガティブな反応は限られた。本日の米国株が下げたとしてもテスラの影響が大きい場合には、弱材料はある程度織り込み済みとなる。国内は良くも悪くも手掛かり難であるため強く売る理由が乏しく、下振れリスクが大きく後退した。日経平均は今週18日に、終値ベースでは年初来高値を更新しているが、取引時間中の高値(28734.79円、3/9)には届いていない。下値不安が和らいだことで、こちらの高値も超えて週を終えることができるかに注目したい。
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