週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、CPIなど重要指標に注目
◆豪ドル、重要指標の発表を控え荒い値動きとなる可能性も
◆NZのCPIは予想比下振れに
◆ZAR、食品インフレ率の高騰は売り要因りに
予想レンジ
豪ドル円 87.00-93.00円
南ア・ランド円 7.10-7.50円
4月24日週の展望
豪ドルは、荒い値動きとなりそう。来週27-28日に行われる日銀政策決定会合、その翌週5月2日の豪準備銀行(RBA)理事会や同月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日には欧州中央銀行(ECB)理事会など、各国中銀による政策金利の発表を控えている。
そういったなか、豪州から来週は注目度の高い経済指標が複数発表される。26日には1‐3月期消費者物価指数(CPI)と3月の月次CPI、27日には1‐3月期輸出・輸入物価指数、28日に1‐3月期卸売物価指数(PPI)が発表予定。
なかでも、CPIの注目度が高い。10-12月期のCPIは前年比で+7.8%となり、市場予想の+7.5%、7-9月期の+7.3%よりも高い結果となった。しかし、1・2月の月次CPIは予想より弱く、2月は+6.8%まで低下している。また、今週発表された隣国ニュージーランド(NZ)の1‐3月期CPIも+6.7%まで低下していることで、豪州もインフレが抑制される可能性がある。前回のRBA理事会では、1年ぶりに政策金利を据え置いたが、もしCPIが予想より低下していた場合は、来月の理事会でも据え置きとなる予想が高まり、豪ドルは上値が限られることなりそうだ。
なお、チャーマーズ豪財務相の提言によるRBAの見直し案では「物価安定」と「完全雇用」の2つの責務を持つことが推奨されたが、法案整備が必要なことから施工は早くて来年7月1日になる予定だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、国内ファンダメンタルズは弱く、買いを積極的に促す状況ではない。しかし、円安地合いが続いていることもあり対円での値動きは限られそうだ。
南アの3月CPIは、前年比で市場予想と前月を上回る結果となった。3月は国内エネルギー基準価格が低く抑えられたことで、インフレの進行に歯止めがかかると期待されたが、逆にインフレが高進した。インフレ高進の最大要因は、食品価格の高騰。食品インフレ率は前年比で14.0%上昇し、全体の7.1%のうち2.4%を占めた。前回の南ア準備銀行(SARB)の利上げ後はZARが強含んだが、CPI発表後は弱含んだように、インフレ高進はZARの売り要因になっている。
なお、来週は3月PPIと貿易収支が発表される。両指標とも通常は反応が限定的となることが多いが、道路・港湾ともに流通インフラが壊滅的となっているなかで、貿易収支の結果には注目している。
4月17日週の回顧
豪ドルは対ドルではレンジ取引となったが、対円では強含んだ。金利据え置きが決定された前回のRBA議事要旨では、「今後の理事会で金融政策を引き締める必要がある可能性を明確にすることが重要」と、今後の利上げの可能性が示唆されたことなどを受けて豪ドル買いに傾く場面もあったが、反応は一時的だった。対円では、ドル円が一時135円台まで円安が進行したことが支えになり、90円台後半ばまで強含んだ。
ZARは値動きが限られた。ドル円が3月上旬以来となる水準まで円安が進行すると、ZAR円は7.45円まで上昇する場面もあったが、一方的な動きにはならずレンジ内での取引となった。(了)
◆NZのCPIは予想比下振れに
◆ZAR、食品インフレ率の高騰は売り要因りに
予想レンジ
豪ドル円 87.00-93.00円
南ア・ランド円 7.10-7.50円
4月24日週の展望
豪ドルは、荒い値動きとなりそう。来週27-28日に行われる日銀政策決定会合、その翌週5月2日の豪準備銀行(RBA)理事会や同月2-3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日には欧州中央銀行(ECB)理事会など、各国中銀による政策金利の発表を控えている。
そういったなか、豪州から来週は注目度の高い経済指標が複数発表される。26日には1‐3月期消費者物価指数(CPI)と3月の月次CPI、27日には1‐3月期輸出・輸入物価指数、28日に1‐3月期卸売物価指数(PPI)が発表予定。
なかでも、CPIの注目度が高い。10-12月期のCPIは前年比で+7.8%となり、市場予想の+7.5%、7-9月期の+7.3%よりも高い結果となった。しかし、1・2月の月次CPIは予想より弱く、2月は+6.8%まで低下している。また、今週発表された隣国ニュージーランド(NZ)の1‐3月期CPIも+6.7%まで低下していることで、豪州もインフレが抑制される可能性がある。前回のRBA理事会では、1年ぶりに政策金利を据え置いたが、もしCPIが予想より低下していた場合は、来月の理事会でも据え置きとなる予想が高まり、豪ドルは上値が限られることなりそうだ。
なお、チャーマーズ豪財務相の提言によるRBAの見直し案では「物価安定」と「完全雇用」の2つの責務を持つことが推奨されたが、法案整備が必要なことから施工は早くて来年7月1日になる予定だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、国内ファンダメンタルズは弱く、買いを積極的に促す状況ではない。しかし、円安地合いが続いていることもあり対円での値動きは限られそうだ。
南アの3月CPIは、前年比で市場予想と前月を上回る結果となった。3月は国内エネルギー基準価格が低く抑えられたことで、インフレの進行に歯止めがかかると期待されたが、逆にインフレが高進した。インフレ高進の最大要因は、食品価格の高騰。食品インフレ率は前年比で14.0%上昇し、全体の7.1%のうち2.4%を占めた。前回の南ア準備銀行(SARB)の利上げ後はZARが強含んだが、CPI発表後は弱含んだように、インフレ高進はZARの売り要因になっている。
なお、来週は3月PPIと貿易収支が発表される。両指標とも通常は反応が限定的となることが多いが、道路・港湾ともに流通インフラが壊滅的となっているなかで、貿易収支の結果には注目している。
4月17日週の回顧
豪ドルは対ドルではレンジ取引となったが、対円では強含んだ。金利据え置きが決定された前回のRBA議事要旨では、「今後の理事会で金融政策を引き締める必要がある可能性を明確にすることが重要」と、今後の利上げの可能性が示唆されたことなどを受けて豪ドル買いに傾く場面もあったが、反応は一時的だった。対円では、ドル円が一時135円台まで円安が進行したことが支えになり、90円台後半ばまで強含んだ。
ZARは値動きが限られた。ドル円が3月上旬以来となる水準まで円安が進行すると、ZAR円は7.45円まで上昇する場面もあったが、一方的な動きにはならずレンジ内での取引となった。(了)