株式明日の戦略-反落も高値更新のミッションは達成、来週は決算と日銀会合に要注目

 21日の日経平均は反落。終値は93円安の28564円。

 日経平均は反落。ただ、上げ幅を3桁に広げて、取引時間中の年初来高値を更新する場面があった。1日を通してみると、まるでその目的を達成するためだけに一時的に強く買われたという動き。今週は週間では約70円程度の上昇にとどまったが、ところどころで強さが感じられる場面があった。きっちり取引時間中と終値の両方で年初来高値を更新したことから、この先のターゲットは昨年8月高値の29222円や節目の3万円、2021年9月高値の30795円などとなる。3万円に近付くと市場関係者はざわつくが、そう高いハードルでもないため、心の準備はしておきたい。

【来週の見通し】
 しっかりか。国内では決算発表がスタートし、米国でも決算発表が本格化する。決算銘柄の値動きが大きくなりやすく、指数が個別の影響を大きく受ける日も出てくるだろう。米企業の決算に関しては時間外の動向にも注意を払う必要があり、慌ただしい週となる。ただ、相場の強弱が日替わりとなりやすい分、楽観・悲観のどちらに傾くこともなく、週を通しては水準が大きく変化しないと予想する。来週は植田新総裁のもとで初の日銀会合が27~28日に開催される。就任会見からは、初回からの金融政策変更はなさそうで、注目は終了後の会見となる。ただ、これが金曜の引け後になるため、来週の東京市場では消化できない。お手並み拝見で会見を前にしては売りが手控えられるとみる分、下値は堅いと考える。

【今週を振り返る】
 堅調となった。日経平均は前の週からの強い基調が続き、火曜18日まで8日続伸。18日には終値ベースで年初来高値を更新した。3月高値までの上昇を達成したこと、翌週から主力企業の決算が出始める日程であったことなどから、以降は手がけづらさも意識された。それでも大きく崩れることはなく、19日に9日ぶりに反落した後、20日は3桁下落スタートから切り返して反発。21日は下落で終えたものの、取引時間中の年初来高値を更新した。日経平均は週間では約70円の上昇となり、週足では2週連続で陽線を形成した。

【来週の予定】
 国内では、G7労働雇用相会合(倉敷、~4/23)G7農相会合(宮崎、~4/23)(4/22)、統一地方選挙の投開票(4/23)、3月全国百貨店売上高(4/25)、2年国債入札(4/26)、日銀金融政策決定会合(~4/28)(4/27)、3月失業率、3月有効求人倍率、4月都区部消費者物価指数、3月鉱工業生産、3月商業動態統計、3月住宅着工統計、植田日銀総裁会見、日銀が経済・物価情勢の展望を公表(4/28)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、独4月Ifo景況感指数(4/24)、米2月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米4月消費者信頼感指数、米3月新築住宅販売、米2年国債入札(4/25)、米3月耐久財受注、米5年国債入札、米韓首脳会談開催(4/26)、米1-3月期GDP速報値、米3月NAR仮契約住宅販売指数、米7年国債入札(4/27)、ユーロ圏1-3月期GDP、米3月個人消費支出・個人所得(4/28)などがある。
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