株式明日の戦略-伸び悩むも終日堅調、ニデックの今期はV字回復計画

 24日の日経平均は反発。終値は29円高の28593円。米国株高を受けて買いが優勢。ただ、主力企業の決算発表を前に、寄った後の動意は限られた。前場では下値での買い意欲の強さが確認できたことで、じり高基調が続いた。一方、後場は28700円を前に上値の重さが意識されて失速。終盤には上げ幅を一桁に縮める場面もあり、小幅な上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆0500億円と、かろうじて2兆円台に乗せた程度。業種別では空運、陸運、医薬品などが上昇した一方、海運、鉄鋼、銀行などが下落した。中期経営計画が評価されたDDホールディングス<3073.T>が急騰。半面、配当方針の変更や減配を発表したリソー教育<4714.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1135/値下がり614。前期の利益見通しを引き上げたANAが3.7%高。同業のJALや、JR西日本、JR東海など鉄道株などにも期待買いが入った。藤田観光やエアトリ、HISなど旅行関連も強い上昇。高級レストランを展開するひらまつが値を飛ばすなど、経済活動再開・インバウンド需要回復の恩恵が大きそうな銘柄が物色された。決算発表を前にニデックが上昇。中期経営計画を公表したnmsがストップ高となった。

 一方、今期が大幅な減益計画となった東京製鉄が5.6%安。合同製鉄や中山製鋼所など、同業の鉄鋼株が軒並み安となった。市況関連のガイダンスリスクが強く意識され、海運大手3社がそろって3%台の下落。大阪チタニウムや住友鉱山など非鉄株にも売られるものが多かった。先週金曜に強く買われたディスコ、アドバンテスト、東京エレクトロンなど半導体株が一転大幅安。4月度の既存店月次が前年割れした西松屋チェーンが売りに押された。

 日経平均は小幅高。安値圏で終了したが、場中もマイナス転換は回避するなど底堅さは伺えた。手がかりが少ない中、買われた方はANA、売られた方は東京製鉄の業績に関するリリースに大きく影響を受けたようにも見える。決算発表企業数が少ないうちは、こういった連想ゲーム的な動きも出てきやすいが、そのような中でプライムでは値上がりが値下がりの倍近くあった。本決算での企業の見通しは保守的となる傾向があるが、それに対する警戒はさほど強まってはいないということだろう。引け後に決算を発表したニデックは、前期が散々であったこともあり、今期は利益面でV字回復の見通しを出してきた。同社含めハイテク関連を見直す材料となるかが注目される。
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