株式明日の戦略-もどかしい状態が続く、高値圏をキープできるか

 25日の日経平均は続伸。終値は26円高の28620円。米国株はまちまちとなったが、寄り付きは3桁の上昇。開始直後には上げ幅を200円超に広げて28800円台に乗せた。しかし、すぐに上値が重くなり、以降は上げ幅を縮める流れとなった。前場では萎んでも3桁高をキープしようとする動きが見られ、28700円近辺でのもみ合いが長く続いた。一方、後場は早々に上げ幅を2桁に縮めてじわじわと値を消す展開。スタートが強かった分、終日プラス圏で推移はしたものの、安値圏で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆3400億円。業種別では証券・商品先物、銀行、建設などが上昇した一方、鉄鋼、海運、非鉄金属などが下落した。前期の見通しを引き上げた大和ハウス工業<1925.T>が大幅上昇。半面、前期が減収減益着地となったオービックビジネスコンサルタント<4733.T>が、後場に入って大きく値を崩した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1079/値下がり666。自動車機器事業の構造改革を実施すると発表した三菱電機が3%を超える上昇。「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の世界興収1000億円突破を材料に、任天堂が年初来高値を更新した。野村HDや三井住友など金融株の一角が堅調。野村不動産や東急不動産など不動産株の動きが良かった。前期の着地が計画を上振れたコーエーテクモが大幅上昇。ニデックは高く始まった後に失速したが、今期のV字回復計画が評価されてプラスで終えた。買い気配スタートとなった序盤には、ハイテク株全般を刺激するような動きも見られた。

 一方、前日に弱かった鉄鋼株が強く売られており、日本製鉄、神戸鋼、中山製鋼所などが大幅安。前日に強かったANAやJALも利益確定売りに押された。金融株は買われるものが多かったが、直近上場の楽天銀行と住信SBIはそろって大幅安。1Qが大幅減益となった小野測器が急落した。ストップ安が続いて値幅制限が拡大されたアースインフィニティは、32.2%安と暴落した。

 本日、グロースに新規上場したレオス・キャピタルワークスは、公開価格を3割超上回る初値をつけたものの、終値は初値を下回った。

 日経平均は小幅続伸。開始直後の動きはかなり強かったが、買いが続かなかった。このところ28500円を超えた後は高値圏をキープしてはいるものの、29000円を試しに行くような力強さはなく、もどかしい状態が続いている。陰線が3本並んでおり、目先で水準が大きく動くとすれば、方向は下になるかもしれない。しかし、その場合でも決算を材料とした個別物色は活況が続く可能性が高く、地合いが急速に悪化することは想定しづらい。むしろ、いったん押した方が新たな買いが入りやすくなりそうでもある。下げにおびえず、目線は上に置いておきたい局面だ。
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