株式明日の戦略-高値もみ合いからの下放れ、アドテストとファナックは今期減益計画

 26日の日経平均は3日ぶり反落。終値は203円安の28416円。米国株の大幅安を受けて、寄り付きから3桁の下落。米国で地銀株が急落したことを嫌気して、金融株が下げを主導した。200円超下げて28400円を割り込んだところでいったん盛り返した。ただ、戻しても28500円を超えてくると上値が重くなった。後場に入ってしばらくは改めて下を試しに行く流れとなり、下げ幅を300円超に拡大。28300円手前で下げ止まり、13時以降は値を戻したが、終値では28500円を下回った。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7200億円。業種別では建設、食料品、不動産などが上昇した一方、銀行、証券・商品先物、機械などが下落した。前期の見通しを下方修正したものの、自己株取得および消却の発表が好感された清水建設<1803.T>が後場急騰。半面、民間初の月面着陸が叶わなかったアイスペース<9348.T>が、場中は値が付かずストップ安比例配分となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり273/値下がり1516。自己株取得発表で買われた清水建設の他にも建設株の動きの良さが目立っており、株主提案に関するニュースがあった大林組や戸田建設が大幅高。ラピダス最先端半導体工場の建設計画の設計施工者に選定されたと発表された鹿島が買いを集めた。食品株も強く、前期の見通しを引き上げた雪印メグミルクのほか、森永製菓、森永乳業が大幅高となった。食品関連では米穀卸の木徳神糧も上方修正や増配を発表して急伸。ほか、イオンの子会社入りを材料に、いなげやが場中値付かずのストップ高比例配分となった。

 一方、米国で地銀のファースト・リパブリック・バンクが暴落したことから、みずほFG、三井住友など銀行株が大幅安。九州FG、西日本FGなど地銀株が軒並み安となった。レーザーテックが3%を超える下落と弱さが目立った。地合いが悪い中、引け後の決算を前にアドバンテストやファナックがやや大きめの下落。1Q決算発表と同時に通期の見通しを引き下げたシマノが全市場の売買代金トップ10入りする大商いとなり、11.6%安と急落した。FPGは上期の見通し引き上げが好感されず7.1%安。上期が最終赤字に転落したマクアケが上場来安値を更新した。

 本日、グロースに新規上場したRidge-i(リッジアイ)は、買いが殺到して初値は持ち越しとなった。

 日経平均は3日ぶり反落。安く始まった後は、戻しそうで戻し切れず、崩れそうで崩れず、強弱感が入り交じった。きのうまでの高値もみ合いを下に放れ、心理的節目の28500円も寄り付きから下回ったことから、腰の入った買いは入りづらかったと思われる。ただ、ここからもう一段売られた場合には、25日線(28068円、26日時点、以下同じ)がサポートになると期待できる。25日線を割り込んだとしても13週線(27843円)が控えており、28000円どころが下値のメドとして意識される。

 あすは仕切り直しといきたいところだが、引け後にアドバンテストとファナックが今期の減益見通しを出してきた。流れは良くないだけに、海外からのアシストが欲しいところだ。きょう26日の米国市場では、時間外の動向からマイクロソフトやアルファベットの上昇が見込まれる。これらが素直に買われるようなら、リスクオフにはならないと思われる。ただ、ボーイングの決算なども消化することから、スカッとした上昇となるかは蓋を開けてみなければ分からない。もし、マイクロソフトやアルファベットの好反応が限定的となった場合には、日経平均は上述の節目辺りまでの下げはあるかもしれない。その際には、冷静に押し目を拾っておきたい。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。