欧州マーケットダイジェスト・26日 株安・金利上昇・ユーロ高

(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.74円(26日15時時点比△0.11円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.61円(△0.78円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1037ドル(△0.0049ドル)
FTSE100種総合株価指数:7852.64(前営業日比▲38.49)
ドイツ株式指数(DAX):15795.73(▲76.40)
10年物英国債利回り:3.729%(△0.034%)
10年物独国債利回り:2.397%(△0.013%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
5月独消費者信頼感指数(Gfk調査)  ▲25.7     ▲29.3・改
4月仏消費者信頼感指数         83       82・改
スウェーデン中銀、政策金利    3.50%に引き上げ   3.00%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは伸び悩み。5月独消費者信頼感指数や4月仏消費者信頼感指数が予想を上回ったことが伝わるとユーロ買い・ドル売りが先行。市場では「前日発表の4月米消費者信頼感指数が予想を下回ったこともあり、ユーロ圏の消費者マインドの相対的な堅調さが意識されやすかった」との声も聞かれ、一時1.1095ドルと昨年3月31日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。米地銀の経営や米債務上限問題など米経済を巡る不透明感が強まっていることもドル売りを促した。
 ただ、買い一巡後はやや上値が重くなった。欧州株相場の下落に伴うリスク・オフのドル買いが入ったほか、米長期金利が上昇に転じたことが相場の重しとなり、1.1033ドル付近まで下押しした。

・ドル円は不安定な値動き。米10年債利回りが3.43%台まで上昇したことをきっかけに円売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時133.94円と日通し高値を付けた。ただ、「米政府は米地銀ファースト・リパブリック・バンクの救済について、現時点では消極的」との報道が伝わると、米金融システム不安再燃への警戒から一転売りが優勢に。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、23時30分前に133.02円と日通し安値を更新した。
 もっとも、節目の133.00円手前では買い戻しが入ったため、下げ止まった。米10年債利回りが3.45%台まで上昇すると全般ドル買い戻しが優勢となり、133.88円付近まで持ち直した。

・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。独仏消費者信頼感指数の上振れをきっかけに円売り・ユーロ買いが出ると一時147.91円と日通し高値を付けた。ただ、買い一巡後は147.50円を挟んだもみ合いに終始した。

・スウェーデンクローナは下落。スウェーデン中銀(リクスバンク)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の3.00%から3.50%へ引き上げることを決めたと発表。声明では「現状では強いクローナが望ましい」「6月か9月に0.25%の利上げを見込む」と指摘した。利上げペース減速が示されたことを受けて全般クローナ売りが強まると、対ユーロで一時11.4280クローナ、対ドルで10.3545クローナまで値を下げた。

・ロンドン株式相場は3日続落。景気減速懸念を背景に運用リスクを回避する売りが優勢となった。前日の米株安も投資家心理の重荷。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られた半面、セグロやブリティッシュ・ランドなど不動産株が買われた。決算内容が好感されたスタンダードチャータードも買われ、HSBCやバークレイズなどの他の銀行株も堅調に推移した。

・フランクフルト株式相場は反落。欧州中央銀行(ECB)の金融引き締め長期化が景気や企業業績に与える影響への懸念から株売りが優勢となった。個別ではラインメタル(5.16%安)やブレンターク(2.22%安)、キアゲン(1.75%安)などの下げが目立った。半面、ボノビア(2.77%高)やコベストロ(1.56%高)などは買われた。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ継続観測を背景に独国債に売りが出た。

(中村)
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