週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、金利据え置き予想で軟調か
◆豪ドル、インフレ低下傾向で金利は据え置き予想
◆FRBやECBの政策金利発表にも注意
◆ZAR、ファンダメンタルズが弱い中で金融不安や高インフレが重し
予想レンジ
豪ドル円 85.00-91.00円
南ア・ランド円 6.90-7.45円
5月1日週の展望
豪ドルは、来週も荒い値動きになりそうだが上値は限定的か。今週発表された豪州の1‐3月期消費者物価指数(CPI)は、前年比で市場予想の+6.9%を小幅に上回る+7.0%となったが、10-12月期の+7.8%からは大幅に低下。また、豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は前年比で+6.6%となり、予想+6.7%や前期+6.9%よりも低下した。
豪準備銀行(RBA)は4月理事会で1年ぶりに政策金利を据え置き、5月2日の理事会でも引き続き据え置きが予想される。4月会合の議事要旨では「今後の理事会で、金融政策を引き締める必要がある可能性を明確にすることが重要」との見解が示されていたが、インフレ低下や金融危機の影響もあり、再び引き締めとなる可能性は低い。
また米地銀ファーストリパブリック銀行(FRC)の預金流出が急拡大し、その影響で金融不安が再燃していることもリスクに敏感な豪ドルの重しになりそうだ。もっとも、RBA理事会以外にも、来週は5月2-3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日に欧州中央銀行(ECB)理事会など、各国中銀による政策金利の発表を控えていることもあり、それら中銀の動向次第で豪ドルは値動きが荒くなる可能性もあるだろう。
なお、経済指標では、5月3日に3月小売売上高、4日に貿易収支が発表予定。また2日の理事会後にはロウRBA総裁が会見し、翌日にはエリスRBA総裁補が講演を行う。隣国ニュージーランド(NZ)では、3日に1‐3月期失業率、NZ準備銀行(RBNZ)財政安定レポートが発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重そうだ。国内外ともにZARを積極的に買うような状況下ではない。国外からは銀行不安の影響で金融機関が保守的な姿勢を示しており、新興国通貨に積極的に資金が向かう流れでもない。特に今週FRC株が急落したことなどが、リスク回避の動きを加速させている。
一方、国内要因でも南ア準備銀行(SARB)の半期に一度の財務報告で「食品インフレはまだピークに達していない」「インフレリスクは依然として上方サイド」「停電がインフレ率を0.5%増加させている」と指摘するなど、高インフレ下の景気低迷が続いている。なお、来週は南アからは主だった経済指標の発表予定はない。銀行不安をはじめとしたリスクの選好度合いがZARの動向を左右することになりそうだ。
4月24日週の回顧
豪ドルは軟調な動きとなった。米地銀FRCからの預金流出が決算で明らかになると、新たな金融不安による景気先行きへの不透明感が高まり、リスク回避の動きに敏感な豪ドルは弱含んだ。対ドルでは一時3月中旬以来となる0.65ドル後半まで、対円では87円台まで下落した。また、豪州のCPIが低下傾向となったことも、豪ドルの重しになった。
ZARも上値が抑えられた。金融不安の再燃で新興国通貨からの資金流出が続き、対円では7.21円まで、対ドルでは18.45ランド台までZAR売りが進んだ。(了)
◆FRBやECBの政策金利発表にも注意
◆ZAR、ファンダメンタルズが弱い中で金融不安や高インフレが重し
予想レンジ
豪ドル円 85.00-91.00円
南ア・ランド円 6.90-7.45円
5月1日週の展望
豪ドルは、来週も荒い値動きになりそうだが上値は限定的か。今週発表された豪州の1‐3月期消費者物価指数(CPI)は、前年比で市場予想の+6.9%を小幅に上回る+7.0%となったが、10-12月期の+7.8%からは大幅に低下。また、豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は前年比で+6.6%となり、予想+6.7%や前期+6.9%よりも低下した。
豪準備銀行(RBA)は4月理事会で1年ぶりに政策金利を据え置き、5月2日の理事会でも引き続き据え置きが予想される。4月会合の議事要旨では「今後の理事会で、金融政策を引き締める必要がある可能性を明確にすることが重要」との見解が示されていたが、インフレ低下や金融危機の影響もあり、再び引き締めとなる可能性は低い。
また米地銀ファーストリパブリック銀行(FRC)の預金流出が急拡大し、その影響で金融不安が再燃していることもリスクに敏感な豪ドルの重しになりそうだ。もっとも、RBA理事会以外にも、来週は5月2-3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日に欧州中央銀行(ECB)理事会など、各国中銀による政策金利の発表を控えていることもあり、それら中銀の動向次第で豪ドルは値動きが荒くなる可能性もあるだろう。
なお、経済指標では、5月3日に3月小売売上高、4日に貿易収支が発表予定。また2日の理事会後にはロウRBA総裁が会見し、翌日にはエリスRBA総裁補が講演を行う。隣国ニュージーランド(NZ)では、3日に1‐3月期失業率、NZ準備銀行(RBNZ)財政安定レポートが発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重そうだ。国内外ともにZARを積極的に買うような状況下ではない。国外からは銀行不安の影響で金融機関が保守的な姿勢を示しており、新興国通貨に積極的に資金が向かう流れでもない。特に今週FRC株が急落したことなどが、リスク回避の動きを加速させている。
一方、国内要因でも南ア準備銀行(SARB)の半期に一度の財務報告で「食品インフレはまだピークに達していない」「インフレリスクは依然として上方サイド」「停電がインフレ率を0.5%増加させている」と指摘するなど、高インフレ下の景気低迷が続いている。なお、来週は南アからは主だった経済指標の発表予定はない。銀行不安をはじめとしたリスクの選好度合いがZARの動向を左右することになりそうだ。
4月24日週の回顧
豪ドルは軟調な動きとなった。米地銀FRCからの預金流出が決算で明らかになると、新たな金融不安による景気先行きへの不透明感が高まり、リスク回避の動きに敏感な豪ドルは弱含んだ。対ドルでは一時3月中旬以来となる0.65ドル後半まで、対円では87円台まで下落した。また、豪州のCPIが低下傾向となったことも、豪ドルの重しになった。
ZARも上値が抑えられた。金融不安の再燃で新興国通貨からの資金流出が続き、対円では7.21円まで、対ドルでは18.45ランド台までZAR売りが進んだ。(了)