株式明日の戦略-大幅高で年初来高値を更新、来週はGWの谷間で小動きか
28日の日経平均は大幅続伸。終値は398円高の28856円。米国株の大幅高を好感して、寄り付きから200円超上昇して28700円台に乗せた。高く始まった後は上値が重く、しばらくは上げ幅を縮小。日銀会合についての日経報道を受けて、急速に値を消す場面もあった。しかし、28500円を割り込んだところでは、改めての買いが入って盛り返した。
植田新総裁の下で初となる日銀会合は、結果の発表まで時間を要した。ただ、13時に出てきた内容を確認した後は、上げ幅を広げる展開。イールドカーブ・コントロールの修正は見送られた。金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行うとの表明があったが、これにより、金融緩和環境がまだしばらく続くとの見方が強まった。まず為替が大きく円安に振れ、不動産株が上昇。一方で、金融株には売りが広がった。日経平均は発表後は買いが入った後に値を消すなどやや値動きが不安定となった。しかし、株式市場にはフレンドリーな内容と受け止められ、13時台後半辺りからは継続的な買いが入った。終盤に28800円台に乗せて取引時間中の年初来高値を更新すると、引け間際には一時上げ幅を400円超に拡大。終値でも年初来高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では電気・ガス、機械、輸送用機器などが大幅上昇。下落は銀行1業種のみで、化学や鉄鋼の上昇が限定的となった。今期の黒字転換見通しが評価された関西電力<9503.T>が急騰。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかった大東建託<1878.T>が大幅に下落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1659/値下がり155。低金利政策長期化期待から、三井不動産、三菱地所、住友不動産など不動産株がそろって大幅高。為替が円安に傾斜したことからマツダや三菱自など自動車株にも強い買いが入った。証券会社が目標株価を引き上げたソニーGが連日で年初来高値を更新。業績関連では、山崎製パンやキッコーマンなど食品株に派手に上げるものが散見された。今期は減益を見込むものの、中計の発表や株主還元強化が好感されたJVCケンウッドが急騰した。
一方、三菱UFJが乱高下しながらも日銀会合が売り材料となって下落。決算が市場の期待に届かなかった信越化学が4%を超える下落となり、決算発表前のレーザーテックや、前日に決算で急落したアドバンテストなど半導体関連が売りに押された。キーエンス、日立、日本ガイシなどが決算を受けて強めの下落。下方修正と減配を発表したバリューコマースがストップ安となった。2日ストップ安比例配分が続いたアイスペースは9.1%安で寄り付き、前場では比較的値を保ったものの、後場にもう一段売られて14.5%安で終えた。
植田日銀総裁下での最初の日銀金融政策決定会合は、株式市場で好感された。結果の発表が13時と遅かったが、10時半に出てきた日経電子版のニュースで今回はイールドカーブ・コントロールの修正がないとの観測が出てきていたことから、後場のスタートから発表までの時間帯でも売り崩すような動きは限定的であった。引け後には会見が実施されたが、植田総裁の発言からは金融引き締めをそれほど急いではいないように見受けられる。いずれは政策修正が必要になるかもしれないが、人事が変わったタイミングで、なし崩し的にそれを行おうとする姿勢が見られなかったことは安心材料。この点は、グローバルで見ても日本株に対する買い安心感を高める要素になるだろう。
【来週の見通し】
小動きか。5月相場に突入するが、GWで祝日が多く、営業日は火曜までの2日間のみ。米国ではFOMCが開催されるが、この結果を見る前に大型連休に突入する。ただ、米国株もFOMCの結果発表前には様子見姿勢が強まると思われることから、この2日間では大きな動きは出てこないと予想する。来週はFOMCだけでなく、ECB理事会や米4月雇用統計の発表などもあり、市場の空白リスクはそれなりに意識される。しかし、(1)今回のFOMCでは0.25%の利上げ実施が濃厚とみられており、何が出てくるかわからないという不透明感がそれほど強くはないこと、(2)日本は足元の基調が強い上に、大型連休の後にも決算発表が多く控えていること、(3)今年のGWは消費活況が見込まれ、企業業績にも好影響が見込まれること―などから、リスク回避の売りは抑制されるだろう。
植田新総裁の下で初となる日銀会合は、結果の発表まで時間を要した。ただ、13時に出てきた内容を確認した後は、上げ幅を広げる展開。イールドカーブ・コントロールの修正は見送られた。金融政策運営について、1年から1年半程度の時間をかけて、多角的にレビューを行うとの表明があったが、これにより、金融緩和環境がまだしばらく続くとの見方が強まった。まず為替が大きく円安に振れ、不動産株が上昇。一方で、金融株には売りが広がった。日経平均は発表後は買いが入った後に値を消すなどやや値動きが不安定となった。しかし、株式市場にはフレンドリーな内容と受け止められ、13時台後半辺りからは継続的な買いが入った。終盤に28800円台に乗せて取引時間中の年初来高値を更新すると、引け間際には一時上げ幅を400円超に拡大。終値でも年初来高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で3兆7700億円。業種別では電気・ガス、機械、輸送用機器などが大幅上昇。下落は銀行1業種のみで、化学や鉄鋼の上昇が限定的となった。今期の黒字転換見通しが評価された関西電力<9503.T>が急騰。半面、今期の見通しが市場の期待に届かなかった大東建託<1878.T>が大幅に下落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1659/値下がり155。低金利政策長期化期待から、三井不動産、三菱地所、住友不動産など不動産株がそろって大幅高。為替が円安に傾斜したことからマツダや三菱自など自動車株にも強い買いが入った。証券会社が目標株価を引き上げたソニーGが連日で年初来高値を更新。業績関連では、山崎製パンやキッコーマンなど食品株に派手に上げるものが散見された。今期は減益を見込むものの、中計の発表や株主還元強化が好感されたJVCケンウッドが急騰した。
一方、三菱UFJが乱高下しながらも日銀会合が売り材料となって下落。決算が市場の期待に届かなかった信越化学が4%を超える下落となり、決算発表前のレーザーテックや、前日に決算で急落したアドバンテストなど半導体関連が売りに押された。キーエンス、日立、日本ガイシなどが決算を受けて強めの下落。下方修正と減配を発表したバリューコマースがストップ安となった。2日ストップ安比例配分が続いたアイスペースは9.1%安で寄り付き、前場では比較的値を保ったものの、後場にもう一段売られて14.5%安で終えた。
植田日銀総裁下での最初の日銀金融政策決定会合は、株式市場で好感された。結果の発表が13時と遅かったが、10時半に出てきた日経電子版のニュースで今回はイールドカーブ・コントロールの修正がないとの観測が出てきていたことから、後場のスタートから発表までの時間帯でも売り崩すような動きは限定的であった。引け後には会見が実施されたが、植田総裁の発言からは金融引き締めをそれほど急いではいないように見受けられる。いずれは政策修正が必要になるかもしれないが、人事が変わったタイミングで、なし崩し的にそれを行おうとする姿勢が見られなかったことは安心材料。この点は、グローバルで見ても日本株に対する買い安心感を高める要素になるだろう。
【来週の見通し】
小動きか。5月相場に突入するが、GWで祝日が多く、営業日は火曜までの2日間のみ。米国ではFOMCが開催されるが、この結果を見る前に大型連休に突入する。ただ、米国株もFOMCの結果発表前には様子見姿勢が強まると思われることから、この2日間では大きな動きは出てこないと予想する。来週はFOMCだけでなく、ECB理事会や米4月雇用統計の発表などもあり、市場の空白リスクはそれなりに意識される。しかし、(1)今回のFOMCでは0.25%の利上げ実施が濃厚とみられており、何が出てくるかわからないという不透明感がそれほど強くはないこと、(2)日本は足元の基調が強い上に、大型連休の後にも決算発表が多く控えていること、(3)今年のGWは消費活況が見込まれ、企業業績にも好影響が見込まれること―などから、リスク回避の売りは抑制されるだろう。