ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、続落

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。終値は134.71円と前営業日NY終値(136.55円)と比べて1円84銭程度のドル安水準だった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場予想通り0.25%の利上げを実施。声明では「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する」とした前回の表現を削除し、「インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分な金融政策スタンスを達成するため、どの程度追加の政策が適切であるかを決める際、金融政策の累積引き締め、金融政策が経済活動やインフレに影響を与える時間差、および経済と金融の動向を考慮する」との見解を示した。市場では「利上げ停止の可能性が示唆された」と受け止められ、ドル売りで反応。3時過ぎに一時134.84円まで下げた。
 パウエルFRB議長の会見が始まると135.70円付近まで下げ幅を縮める場面もあったが、戻りは鈍かった。利上げ停止時期に関して「近づいている感触。すぐそこの可能性も」と述べたと伝わると再び弱含む展開となった。
 株取引終了後に「米地銀パックウエスト・バンコープは売却を含めて戦略的選択肢を検討」との一部報道が伝わると、時間外の米株価指数先物が一段と下落。リスク回避の円買いが優勢となり、一時134.71円と日通し安値を更新した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.1062ドルと前営業日NY終値(1.0999ドル)と比べて0.0063ドル程度のユーロ高水準だった。FOMCで「米利上げ停止が示唆された」との見方からドル売りが先行すると一時1.1091ドルと日通し高値を付けたものの、4月26日の高値1.1095ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて、積極的にユーロを買う動きは限られた。

 ユーロ円は続落。終値は149.13円と前営業日NY終値(150.21円)と比べて1円08銭程度のユーロ安水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、しばらくは方向感が出なかったが、米国株相場の下落とともにリスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となった。米地銀に関する報道を受けたリスク回避の動きが強まると、一時149.07円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:134.71円 - 136.63円
ユーロドル:1.0999ドル - 1.1091ドル
ユーロ円:149.07円 - 150.39円

(中村)
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