欧州マーケットダイジェスト・4日 株安・金利低下・円高

(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.04円(4日15時時点比▲0.40円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.74円(▲1.28円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1021ドル(▲0.0063ドル)
FTSE100種総合株価指数:7702.64(前営業日比▲85.73)
ドイツ株式指数(DAX):15734.24(▲80.82)
10年物英国債利回り:3.653%(▲0.043%)
10年物独国債利回り:2.190%(▲0.057%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独貿易収支         167億ユーロの黒字 161億ユーロの黒字・改
4月仏サービス部門PMI改定値     54.6       56.3
4月独サービス部門PMI改定値      56.0       55.7
4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値   56.2       56.6
4月英サービス部門PMI改定値      55.9       54.9
3月英消費者信用残高        16億ポンド   15億ポンド・改
3月英マネーサプライM4
前月比                ▲0.6%    ▲0.3%・改
前年比                0.4%      1.1%・改
3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
前月比                ▲1.6%    ▲0.4%・改
前年比                 5.9%     13.3%・改
欧州中央銀行(ECB)、政策金利   3.75%に引き上げ   3.50%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは荒い値動き。重要イベントを前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1082ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1091ドルや年初来高値である4月26日の高値1.1095ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。
 欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開き市場予想通り0.25%の利上げを決めたと発表。3会合ぶりに利上げ幅を縮小したことを受けて、ユーロ売りが進行。欧米株価の下落に伴うリスク・オフのドル買いも入り、一時1.0986ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、ラガルドECB総裁が会見で「我々にはまだすべきことがある」「利上げ停止しないことは極めて明らか」と述べ、追加利上げの可能性を示唆したこともあり、下値は限定的となった。「何人かのECB理事会メンバーは今後2-3回の利上げを見込んでいる」との観測報道も相場を下支えした。

・ドル円は頭が重かった。1-3月期米単位労働コスト速報値が前期比年率6.3%と予想の5.5%を上回ったことが伝わると、米金利上昇とともにドル買いが先行。22時30分前に一時134.88円と日通し高値を更新した。
 ただ、前日引け後に伝わった「米地銀パックウエスト・バンコープは身売り含めた戦略的選択肢を検討」との報道に続き、「米地銀ウエスタン・アライアンス・バンコープは身売り含む複数の選択肢検討」との一部報道が伝わると、米中堅金融機関の連鎖的な経営破綻への警戒が高まり、リスク回避の円買いが活発化した。米金利の低下に伴う売りも出て、1時過ぎに133.50円と日通し安値を更新した。
 なお、ウエスタン・アライアンスは身売り検討との報道を否定した。

・ユーロ円は軟調だった。しばらくは148円台後半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると値を下げた。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、ダウ平均が一時470ドル超下落するとリスク・オフの円買いが活発化。24時前に一時147.13円と日通し安値を付けた。

・ロンドン株式相場は反落。前日の米国株の下落を受けて売りが先行。高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念も意識されて幅広いセクターに売りが出た。リオ・ティントやアングロ・アメリカン、グレンコアなど素材株の下げが目立ったほか、HSBCやバークレイズなど金融株の下げが大きかった。

・フランクフルト株式相場は反落。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによる世界的な景気減速や銀行経営を巡る不透明感がくすぶる中、独株にも売りが出た。ただ、ECBが市場予想通り0.25%の利上げを決め、3会合ぶりに利上げ幅を縮小したことが伝わると下げ渋った。

・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。

(中村)
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