欧州マーケットダイジェスト・2日 株安・金利低下・円高

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.67円(2日15時時点比▲0.96円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=150.34円(▲0.87円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0997ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:7773.03(前営業日比▲97.54)
ドイツ株式指数(DAX):15726.94(▲195.44)
10年物英国債利回り:3.669%(▲0.050%)
10年物独国債利回り:2.258%(▲0.055%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月独小売売上高
前月比                ▲2.4%    ▲0.3%・改
前年比                ▲6.5%    ▲5.8%・改
4月英ネーションワイド住宅価格指数
前月比                0.5%     ▲0.7%・改
4月仏製造業PMI改定値         45.6       45.5
4月独製造業PMI改定値         44.5       44.0
4月ユーロ圏製造業PMI改定値      45.8       45.5
4月英製造業PMI改定値         47.8       46.6
4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比                7.0%       6.9%
4月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比                5.6%       5.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下落。アジア時間に一時137.77円と3月8日以来約2カ月ぶりの高値を付けた反動で、欧州勢参入後は利食い売りなどが先行した。NY時間に入り、3月米JOLTS求人件数が959.0万件と予想の977.5万件を下回ったことが分かると円買い・ドル売りが活発化。米国株相場の下落に伴うリスク・オフの円買いも優勢となり、一時136.32円と日通し安値を更新した。
 なお、ダウ平均は米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から一時610ドル超下落した。米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の経営破綻を受けて、米地方銀行株はこの日も売りが継続。KBW地方銀行株指数は2020年10月以来の安値水準を更新した。

・ユーロドルは底堅い動き。欧州勢参入直後に一時1.1007ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。欧州中央銀行(ECB)が発表した4月のユーロ圏の銀行貸し出し調査では、企業への融資の信用基準厳格化や企業のローン需要の減少が示された。市場では「金融引き締め継続による需要減やインフレ鈍化の兆しが表れ始めている」との見方が広がり、ECBの大幅利上げ継続観測が後退した。23時前には一時1.0942ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、低調な米経済指標を受けて米長期金利が大幅に低下するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1時過ぎには1.1003ドル付近まで持ち直した。

・豪ドル円は行って来いの展開だった。豪準備銀行(RBA)が予想外の利上げに踏み切ったことを受けて一時92.44円と2月22日以来の高値を付けたものの、欧米株価の下落をきっかけにリスク回避の円買いが優勢になると90.86円の本日安値まで値を下げた。WTI原油先物価格が5%超急落したことも相場の重し。

・ユーロ円は頭が重い。日本時間夕刻に一時151.61円と2008年9月以来約14年8カ月ぶりの高値を付けたものの、買い一巡後はさえない展開に。欧米株価が軟調に推移したことでリスク・オフの円買いが優勢となり、一時149.84円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は反落。HSBCホールディングスが発表した四半期決算が好感されて、同社株が大幅に上昇すると他の金融セクターにも買いが波及したものの、原油先物価格の急落をきっかけにエネルギーや資源株に売りが集まると指数は大きく値を下げた。本日の米国株相場が軟調に推移したことも相場の重し。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から米国株相場が下落すると、独株にも売りが波及した。前週末に昨年1月以来の高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではボノビア(4.54%安)やコベストロ(4.35%安)、バイエル(4.28%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。ECBによる大幅利上げ観測が後退する中、独国債に買いが入った。株価の下落も債券買いを誘った。

(中村)
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