ニューヨーク外国為替市場概況・4日 ドル円、3日続落

 4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は134.29円と前営業日NY終値(134.71円)と比べて42銭程度のドル安水準だった。1-3月期米単位労働コスト速報値が前期比年率6.3%と予想の5.5%を上回ったことが伝わると、米金利の上昇とともにドル買いが先行。22時30分前に一時134.88円と日通し高値を更新した。
 ただ、前日引け後に伝わった「米地銀パックウエスト・バンコープは身売り含めた戦略的選択肢を検討」との報道に続き、「米地銀ウエスタン・アライアンス・バンコープは身売り含む複数の選択肢検討」との一部報道が伝わると、米中堅金融機関の連鎖的な経営破綻への警戒が高まり、リスク回避の円買いが活発化した。1時過ぎに一時133.50円と日通し安値を更新した。
 もっとも、ウエスタン・アライアンスが身売り検討との報道を否定すると、米国株の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入った。一時は3.29%台まで低下していた米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えし、134.35円付近まで下げ幅を縮めた。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.1012ドルと前営業日NY終値(1.1062ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ安水準だった。重要イベントを前にポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが先行すると、21時過ぎに1.1082ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1091ドルや年初来高値である4月26日の高値1.1095ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。
 欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開き市場予想通り0.25%の利上げを決めたと発表。3会合ぶりに利上げ幅を縮小したことを受けて、ユーロ売りが進行。欧米株価の下落に伴うリスク・オフのドル買いも入り、一時1.0986ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、ラガルドECB総裁が会見で「我々にはまだすべきことがある」「利上げ停止しないことは極めて明らか」と述べ、追加利上げの可能性を示唆したこともあり、下値は限られた。「何人かのECB理事会メンバーは今後2-3回の利上げを見込んでいる」との観測報道も相場を下支えした。

 ユーロ円は3日続落。終値は147.90円と前営業日NY終値(149.13円)と比べて1円23銭程度のユーロ安水準。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、ダウ平均が一時470ドル超下落するとリスク・オフの円買いが活発化。24時前に一時147.13円と日通し安値を付けた。ただ、米国株が下げ幅を縮めるとユーロ円にも買い戻しが入り、147.98円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:133.50円 - 134.88円
ユーロドル:1.0986ドル - 1.1091ドル
ユーロ円:147.13円 - 149.25円

(中村)
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