欧州マーケットダイジェスト・9日 株安・金利上昇・ユーロ安

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=135.15円(9日15時時点比△0.27円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=148.17円(▲0.12円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0964ドル(▲0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:7764.09(前営業日比▲14.29)
ドイツ株式指数(DAX):15955.48(△2.65)
10年物英国債利回り:3.855%(△0.074%)
10年物独国債利回り:2.350%(△0.031%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)      <発表値>     <前回発表値>
3月仏貿易収支       80.23億ユーロの赤字 93.02億ユーロの赤字・改
3月仏経常収支        14億ユーロの赤字  30億ユーロの赤字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。アジア市場終盤に一時134.72円と日通し安値を付けたものの、前日の安値134.64円がサポートとして働くと徐々に買い戻しが優勢に。米10年債利回りが上昇に転じると円売り・ドル買いが強まり、アジア時間の高値135.32円を上抜けて一時135.36円まで上値を伸ばした。
 24時前には134.96円付近まで下押しする場面もあったが、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレは高すぎる」「追加利上げが適切な場合は、実施する」「今年利下げする理由は見当たらない」などと発言すると再び強含んだ。2時前には135.27円付近まで持ち直している。

・ユーロドルは頭が重かった。アジア市場では1.1006ドルと日通し高値を付けたものの、欧米市場では上値の重さが目立った。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると一時1.0941ドルと日通し安値を付けた。市場では「欧州中央銀行(ECB)の利上げが米連邦準備理事会(FRB)より長期化するとの観測を背景にユーロ買い・ドル売りが進んでいただけに、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出ている」との声が聞かれた。
 なお、カザークス・ラトビア中銀総裁は「利上げは7月で終わらない可能性」「2024年の利下げは著しく時期尚早」などと述べたほか、ナーゲル独連銀総裁は「インフレ率は高すぎる」「金利はさらに上昇するだろう」と発言したものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は弱含み。ドル円の上昇につれた買いが入った半面、ユーロドルの下落につれた売りが出たため、じり安の展開となった。21時前には一時147.89円と日通し安値を更新した。欧米株価の下落に伴うリスク回避的な円買い・ユーロ売りも入った。

・ロンドン株式相場は小反落。中国株や時間外の米株先物の下落を受けて、投資家心理が下向くと株売りがやや優勢となった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、原油安を背景にBPやシェルなどエネルギー株が値を下げた。

・フランクフルト株式相場は小反発。中国株や時間外の米株先物の下落を受けて売りが先行したものの、引けにかけて持ち直した。個別ではフレゼニウス(8.73%高)やRWE(1.67%高)、ミュンヘン再保険(1.67%高)などの上昇が目立った。半面、ザルトリウス(3.72%安)やザランド(2.85%安)などが売られた。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ継続観測を背景に独国債に売りが出た。

(中村)
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