ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、小幅続伸

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら3日続伸。終値は135.23円と前営業日NY終値(135.10円)と比べて13銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが上昇に転じたことをきっかけに円売り・ドル買いが先行。アジア時間の高値135.32円を上抜けて一時135.36円まで上値を伸ばした。24時前には134.96円付近まで下押しする場面もあったが、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレは高すぎる」「追加利上げが適切な場合は、実施する」と述べたうえ、年内の利下げ転換に否定的な見解を示すと再び強含んだ。2時前には135.27円付近まで持ち直している。
 もっとも、米連邦債務上限を巡るバイデン大統領と議会指導部による協議の行方や明日の4月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑から、大きな方向感は出なかった。

 ユーロドルは続落。終値は1.0962ドルと前営業日NY終値(1.1004ドル)と比べて0.0042ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが優勢になると、22時30分前に一時1.0941ドルと日通し安値を付けた。市場では「欧州中央銀行(ECB)の利上げが米連邦準備理事会(FRB)より長期化するとの観測を背景にユーロ買い・ドル売りが進んでいただけに、ポジション調整目的のユーロ売り・ドル買いが出やすい」との声が聞かれた。
 ただ、売り一巡後はもみ合いに転じた。米債務上限問題の行方と明日公表される米インフレ指標の結果を見極めたいとの思惑が広がり、積極的な売買は手控えられた。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は148.23円と前営業日NY終値(148.68円)と比べて45銭程度のユーロ安水準だった。ただ、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。
 なお、ナーゲル独連銀総裁は「インフレ率は高すぎる」「金利はさらに上昇するだろう」と述べたほか、シュナーベルECB専務理事は「インフレを目標水準に戻すためにさらに多くのことをしなければならない」「市場が想定している年末までに利下げを行う可能性は著しく低い」と発言したものの、相場の反応は限られた。

本日の参考レンジ
ドル円:134.72円 - 135.36円
ユーロドル:1.0941ドル - 1.1006ドル
ユーロ円:147.89円 - 148.69円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。