欧州マーケットダイジェスト・10日 株安・金利低下・円高

(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.24円(10日15時時点比▲1.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.23円(▲1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0967ドル(横ばい)
FTSE100種総合株価指数:7741.33(前営業日比▲22.76)
ドイツ株式指数(DAX):15896.23(▲59.25)
10年物英国債利回り:3.800%(▲0.055%)
10年物独国債利回り:2.288%(▲0.062%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
4月独消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.4%       0.4%
前年比                7.2%       7.2%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。注目の4月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に思惑的な買いが先行し一時135.41円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値135.47円がレジスタンスとして意識されると失速した。
 21時30分発表の4月米CPIが前年比で4.9%上昇と予想の5.0%上昇を若干下回り、2年ぶりの低水準を記録したことが伝わると、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが活発化。一時は210ドル超上昇したダウ平均が失速し、320ドル超下落したことも相場の重しとなり、2時30分過ぎに134.11円と日通し安値を更新した。

・ユーロドルは上値が重い。米インフレ指標発表前に全般ドル買いが進んだ流れに沿って一時1.0942ドルと日通し安値を付けたものの、米CPIの結果が伝わると米金利の低下とともにドル売りが優勢となった。「欧州中央銀行(ECB)の一部当局者はインフレを十分に抑制するため、9月の利上げが必要な可能性を受け入れ始めつつある」との観測報道が伝わると、ECBの利上げ継続観測が高まりユーロ買いも促した。23時30分前には一時1.1007ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、1.1ドル台では利食い売りや戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。欧米株価の下落を背景にリスク・オフのドル買いが入ると、一時1.0962ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は軟調。欧州株相場の下落を背景に投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ユーロ売りが優勢となった。米国株相場がさえない展開となったことも相場の重しとなり、一時147.04円と日通し安値を更新した。

・ロンドン株式相場は続落。日本や中国などアジア株相場の下落を受けて売りが先行。英利上げによる景気後退への懸念も根強く、投資家心理を冷やした。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、リオ・ティントやグレンコアなど素材株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は反落。日本や中国などのアジア株相場の下落を受けて独株にも売りが先行。引けにかけてはNYダウの失速が相場の重しとなった。個別ではシーメンス・ヘルシニアーズ(5.66%安)やミュンヘン再保険(2.53%安)、アリアンツ(1.64%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇。株安を受けた。

(中村)
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