ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、4日ぶり反落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は134.34円と前営業日NY終値(135.23円)と比べて89銭程度のドル安水準だった。注目の4月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に思惑的なドル買いが先行し一時135.41円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値135.47円がレジスタンスとして意識されると失速した。
 21時30分発表の4月米CPIが前年比で4.9%上昇と予想の5.0%上昇を若干下回り、2年ぶりの低水準を記録したことが伝わると、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが活発化。一時は210ドル超上昇したダウ平均が失速し、320ドル超下落したことも相場の重しとなり、2時30分過ぎに134.11円と日通し安値を更新した。

 ユーロドルは3日ぶりに反発。終値は1.0982ドルと前営業日NY終値(1.0962ドル)と比べて0.0020ドル程度のユーロ高水準だった。米インフレ指標発表前に全般ドル買いが進んだ流れに沿って一時1.0942ドルと日通し安値を付けたものの、米CPIの結果が伝わると米金利の低下とともにドル売りが優勢となった。「欧州中央銀行(ECB)の一部当局者はインフレを十分に抑制するため、9月の利上げが必要な可能性を受け入れ始めつつある」との観測報道を受けて、ECBの利上げ継続観測が高まるとユーロ買いも進んだ。23時30分前には一時1.1007ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、1.1ドル台では利食い売りや戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。ダウ平均が下落したタイミングでリスク・オフのドル買いが入ると、一時1.0962ドル付近まで下押しする場面があった。

 ユーロ円は続落。終値は147.56円と前営業日NY終値(148.23円)と比べて67銭程度のユーロ安水準。欧州株相場の下落やダウ平均の失速を背景に投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ユーロ売りが優勢となった。2時30分過ぎには一時147.04円と日通し安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時169.11円、豪ドル円は90.51円、NZドル円は85.07円、カナダドル円は100.02円、スイスフラン円は150.61円、南アフリカランド円は7.09円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:134.11円 - 135.47円
ユーロドル:1.0942ドル - 1.1007ドル
ユーロ円:147.04円 - 148.67円

(中村)
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