ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ユーロドル、反落

 11日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.0916ドルと前営業日NY終値(1.0982ドル)と比べて0.0066ドル程度のユーロ安水準だった。米債務上限問題を巡る懸念や米金融システム不安再燃への警戒から、ダウ平均が一時400ドル超下落するとリスク・オフのドル買いが優勢となった。23時過ぎに一時1.0900ドルと日通し安値を更新した。その後の戻りも1.0929ドル付近にとどまった。
 なお、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁はこの日、「サービスインフレを懸念」「追加利上げの可能性がある」「将来の利上げ規模はデータと信用状況に依存」などと述べたが、相場の反応は限られた。

 ドル円は反発。終値は134.53円と前営業日NY終値(134.34円)と比べて19銭程度のドル高水準だった。米地銀パックウエスト・バンコープの預金が約1割流出していたことが判明すると時間外のダウ先物の下落や米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが先行。「米連邦預金保険公社(FDIC)が預金保険基金に関する発表を本日行う予定」との報道が伝わると134.63円付近まで瞬間的に反発したものの、戻りは限定的だった。4月米卸売物価指数(PPI)や前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い内容となったことで再び売りが強まると、一時133.75円と日通し安値を更新した。
 ただ、4日の安値133.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドル高が進んだ影響も受けて、一時134.59円付近まで持ち直した。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.15まで上昇した。

 ユーロ円は3日続落。終値は146.88円と前営業日NY終値(147.56円)と比べて68銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが先行すると一時146.13円と日通し安値を付けたものの、ドル円の持ち直しにつれた買いが入ると146.93円付近まで下げ渋った。

 南アフリカランドは対円で一時6.92円と2021年1月以来の安値を付けたほか、対ドルで19.3413ランドと20年4月以来の安値を更新した。株安を背景に投資家のリスク回避の姿勢が強まる中、ランドを含めた新興国通貨への売りが強まったほか、「米国は南アがロシアへ兵器を供給していると非難」との一部報道が嫌気された。

本日の参考レンジ
ドル円:133.75円 - 134.84円
ユーロドル:1.0900ドル - 1.0998ドル
ユーロ円:146.13円 - 147.60円

(中村)
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