欧州マーケットダイジェスト・12日 株高・金利上昇・ドル高

(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=135.64円(12日15時時点比△0.94円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=147.23円(△0.09円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0854ドル(▲0.0070ドル)
FTSE100種総合株価指数:7754.62(前営業日比△24.04)
ドイツ株式指数(DAX):15913.82(△78.91)
10年物英国債利回り:3.778%(△0.071%)
10年物独国債利回り:2.276%(△0.051%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月英国内総生産(GDP、前月比)   ▲0.3%      0.0%
1-3月期英国内総生産(GDP)速報値
前期比                0.1%      0.1%
前年同期比              0.2%      0.6%
3月英鉱工業生産指数(前月比)    0.7%     ▲0.1%・改
   製造業生産高(前月比)    ▲2.0%     ▲2.7%・改
3月英商品貿易収支     163.56億ポンドの赤字 166.35億ポンドの赤字・改
3月英貿易収支       28.64億ポンドの赤字  33.54億ポンドの赤字・改
4月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.6%      0.6%
前年比                5.9%      5.9%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルはさえない展開だった。欧州勢参入直後は1.0935ドルの本日高値まで上昇したものの、すぐに失速した。NY市場に入り、米ミシガン大学が発表した消費者の期待インフレ率が予想を上回ったことが伝わると米金利の上昇とともに全般ドル買いが進行。1時30分過ぎに一時1.0849ドルと4月10日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。市場では「根強いインフレ懸念から、米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を高水準で据え置くとの見方が増えている」との声が聞かれた。
 米ミシガン大学が発表した5月消費者態度指数(速報値)は57.7と予想の63.0を下回った一方、消費者の期待インフレ率は1年先が4.5%と予想の4.4%を上回り、5年先が3.2%と予想の2.9%を上回った。

・ドル円は底堅い動き。19時30分過ぎに134.63円付近まで下押しする場面もあったが、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米消費者のインフレ期待が予想を上回ったことを受けて、米金利が上昇すると全般ドル買いが活発化。10日の高値135.47円を上抜けて一時135.75円まで上値を伸ばした。
 また、豪ドル米ドルは0.6640米ドル、NZドル米ドルは0.6185米ドル、米ドルカナダドルは1.3563カナダドル、ドルスイスフランは0.8986スイスフランまでドル高に振れた。

・ポンドドルは全般ドル買いが進んだ流れに沿って、一時1.2449ドルまで下落した。ベイリー英中銀(BOE)総裁が前日に「利上げを一時停止できる時期に近づいている」との見解を示したことで英利上げ休止観測が浮上し、ポンド売りを促した面もある。

・ユーロ円はドル円の上昇につれた買いとユーロドルの下落につれた売りが交錯し、大きな方向感が出なかった。日本時間夕刻に一時147.47円と日通し高値を付けたものの、23時前には146.67円と日通し安値を更新。ただ、2時30分過ぎには147.37円付近まで持ち直した。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反発。ベイリーBOE総裁が前日に「利上げを一時停止できる時期に近づいている」との見解を示したことで、英利上げ休止観測が浮上し、株価の支えとなった。BPやシェルなどエネルギー株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発を期待した買いが入った。時間外のダウ先物の上昇も投資家心理を明るくした。個別ではシーメンス・エナジー(3.32%高)やラインメタル(2.89%高)、コンチネンタル(1.93%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。週末を前に利益確定目的の売りが優勢だった。

(中村)
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