NY為替見通し=ドル円、米指標を確認しながらの展開か

 本日、米国で複数の指標発表が予定されている。ドル円はそれらを確認しつつ、米国景気の先行きのほか、10日の12月米雇用統計への期待値に影響を及ぼすかを見てゆくことになるか。

 まずは12月米ISM非製造業景況指数に市場の関心が集まりそうだ。市場予想は53.3と、前月(52.1)のほか、好不況の分岐点とされる50を上回る見通し。ISMについては雇用指標にも注目であり、前月(51.5)や分岐点の50を上回るかが焦点となろう。また、ISMと同時刻には11月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数も発表予定。市場予想は770.0万件と前回(774.4万件)をわずかに下回る見通し。直後の市場はこれらを総合的に捉えて上下することが予想される。その後は雇用指標を通じ、12月米雇用統計に対する期待と懸念のどちらが意識されるか注目したい。

 また、NY序盤にはバーキン米リッチモンド連銀総裁の発言機会が予定されている。同氏は市場ではややタカ派とみられている。なお、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票権はないためインパクトは薄いかもしれないものの、金利や経済への見通しへの言及があるか確認しておきたい。 

 他方、ユーロドルは2日に2022年11月以来の安値となる1.0226ドルの安値をつけた後は持ち直す動きが続いている。昨日高値1.0437ドルや昨年12月30日高値1.0458ドルを上抜くようだと、1.05ドルの大台を意識した動きも想定される。12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は市場予想通り前月から伸びが加速したものの、直後の市場の反応は限定的であった。こちらも、米指標を受けたドルの動きがカギとなりそうだ。

 そのほか、昨日の欧州からNY市場を動かしたトランプ次期米大統領に関する発言には引き続き注意したい。また、本日東京市場で本邦金融当局者から円安けん制発言が相次いでおり、こちらへの警戒も怠らないようにしたい。


想定レンジ上限
・ドル円は、昨年7月17日高値158.61円
・ユーロドルは、心理的節目の1.0500ドル

想定レンジ下限
・ドル円は6日安値156.24円
・ユーロドルは、日足・一目均衡表の転換線1.0342ドル。

(川畑)
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