NY株見通し-底堅い展開か 5月小売売上高などの経済指標に注目

 今晩のNY市場は底堅い展開か。昨日は米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内あと2回の利上げの可能性が示されたことで一時大幅安となったものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で7月FOMCでの利上げは未定などとしたことで買い戻され、ナスダック総合が0.39%高、S&P500も0.08%高と小幅ながらプラス圏で終了し、ともに5日続伸した。一時、428ドル安まで下落したダウ平均は232.79ドル安で終了したが、その大半はユナイテッドヘルスの207ドルの下落寄与だった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日比-0.73ポイントの13.88ポイントに低下するなどセンチメントも改善が続いた。引け後の動きでは、予想を上回る決算や通期の引き渡し見通しを引き上げた住宅大手のレナーが時間外で2%超上昇した。

 今晩の取引では経済指標が焦点か。FOMC通過で目先の不透明感が後退し、センチメントやテクニカルの好転で底堅い展開が期待される中、景気動向や今後の利上げ見通しを巡り、5月小売売上高や新規失業保険申請件数などの経済指標が注目される。5月小売売上高は前月比-0.1%と4月分の+0.4%から悪化が見込まれているが、予想を上回る結果となれば安心感につながりそうだ。

 今晩の米経済指標・イベントは5月小売売上高や新規失業保険申請件数のほか、6月NY連銀製造業業況指数、6月フィラデルフィア連銀業況指数、5月鉱工業生産など。企業決算は寄り前にクローガー、引け後にアドビが発表予定。(執筆:6月15日、14:00)
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