ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、続伸

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は141.82円と前営業日NY終値(140.29円)と比べて1円53銭程度のドル高水準だった。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策の維持を決めたほか、植田和男日銀総裁が会見で「2%物価安定目標の達成にはなお時間がかかる」「経済情勢などに応じ、機動的に対応しつつ粘り強く緩和継続」と述べ、金融緩和を継続していく考えを示したため、NY市場に入っても円安の流れが継続した。
 米ミシガン大学が発表した6月消費者態度指数(速報値)が63.9と予想の60.0を上回ったことや、米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派的な発言を手掛かりにドル買いも進み、5時30分過ぎには一時141.92円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。
 なお、ウォラーFRB理事は「インフレ低下に向けた進展は遅く、幾分の追加引き締めが必要となる可能性」と述べたほか、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「インフレ鈍化がなければ、さらなる利上げを容認」などと語った。

 ユーロドルは5営業日ぶりに小反落。終値は1.0937ドルと前営業日NY終値(1.0945ドル)と比べて0.0008ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続を見込んだユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.0971ドルと5月11日以来約1カ月ぶりの高値を付けたものの、予想を上回る米消費者信頼感指数をきっかけに米長期金利が上昇すると一転下落した。24時前には1.0918ドルと日通し安値を付けた。
 もっとも、引けにかけては下げ渋った。ユーロ円の上昇につれた買いなどが入り、1.0946ドル付近まで下げ幅を縮める場面があった。

 ユーロ円は5日続伸。終値は155.22円と前営業日NY終値(153.55円)と比べて1円67銭程度のユーロ高水準。ECBは利上げを継続するとの見方が強まる一方、日銀は大規模な金融緩和策を維持しており、日欧金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ユーロ買いが進んだ。取引終了間際に一時155.26円と2008年9月以来15年ぶりの高値を付けた。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時182.05円、豪ドル円は97.58円、NZドル円は88.56円、カナダドル円は107.66円、スイスフラン円は158.81円、メキシコペソ円は8.33円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:139.85円 - 141.92円
ユーロドル:1.0918ドル - 1.0971ドル
ユーロ円:153.09円 - 155.26円

(中村)
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