ロンドン為替見通し=欧州金利動向を見極め、クロス円に調整入るか

 本日のロンドン為替市場では欧州金利動向を見極めながらの取引か。16日の独10年物連邦債利回りは2.47%と前日比では低下して終えた。欧州中央銀行(ECB)の引き締め継続スタンスを背景とした独債売りが続いていたものの、週末を控えて調整が入ったもよう。米連邦準備理事会(FRB)高官からタカ派発言が伝わったこともあり、先週末のユーロドルは1.09ドル台で伸び悩んだ。本日は米国が祝日のため、欧州発の材料に振らされる展開が予想される。

 とはいっても、相場を動意付けさせるような経済指標の発表は予定されていない。ただ複数の欧州金融当局者の講演が手掛かりとなるかもしれない。特に欧州昼過ぎからの、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストやシュナーベルECB専務理事に注目か。先週の定例記者会見でラガルドECB総裁が追加利上げに積極的な姿勢を見せたことで、市場にとってのサプライズは逆に利上げに慎重な見方を示した場合となる。

 クロス円の動向にも注視する必要があるだろう。日銀の超緩和がまだ暫く継続されるとの見方が強まるなか、先週末は円売りが加速。週明けもユーロ円やポンド円は買いが先行した。ただ、15-16日の2日間でユーロ円が約3.5円、ポンド円は約4.3円も上昇してきた。大きな流れは変わらないのだろうが、欧州株式市場で下向き調整圧力が強まるようであれば、さすがにクロス円も先週の大幅上昇分を縮める場面がありそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは5月10日高値1.1007ドル、ユーロ円は節目156.00円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは6月14日高値1.0864ドル、ユーロ円は16日レンジの半値154.18円付近。


(小針)
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