週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、CPI次第で7月再利上げも
◆豪ドル、CPI次第で7月再利上げの可能性も
◆豪ドル、米・中を含む株式市場の動きにも注目
◆ZAR、CPI低下はポジティブも、制裁リスク残りもみ合い
予想レンジ
豪ドル円 94.00-100.00円
南ア・ランド円 7.50-7.90円
6月26日週の展望
豪ドルは、対円を中心に堅調地合いを維持できるかに注目。今週の豪ドルは対円で上値が抑えられたが、日豪の金融政策の方向性の違いが豪ドルの支えとなるかを見極めることになりそうだ。来週も円安地合いが続けば、豪ドル円は2014年以来となる100円を目指す展開も予想される。
来週注目されるのが、28日に発表予定の5月の豪消費者物価指数(CPI)。月次の数字は昨年12月の+8.4%をピークに今年3月には+6.3%まで低下したが、4月になると燃料価格の高騰と住宅価格の大幅上昇を受けて+6.8%まで再び上昇に転じた。
今月行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、利上げと据え置きの主張が拮抗した。先週発表された5月の豪雇用統計は失業率が予想や前回の3.7%から3.6%まで低下し、新規雇用者数も大幅に増加。中でも常勤雇用者の増加が目立つなど、軒並み好結果だった。5月のインフレ率も高止まりするようなことになれば、7月4日に行われるRBA理事会では、6月に続き利上げを決定する可能性が高まる。
今週講演を行ったブロックRBA副総裁は「雇用はインフレ目標との整合性を考慮した水準を超えている」「インフレが定着すれば、金利の上昇、深刻な景気後退や失業率の上昇を招くだろう」と発言。6月の理事会よりもタカ派に傾いている可能性が高い。CPIが強い結果になれば豪ドルは支えられそうだ。なお、CPI以外では29日に小売売上高が発表される。
また、引き続き豪ドルはリスクに敏感な動きを繰り返しており、株式市場の値動きにも左右されることになりそうだ。豪州だけでなく米国や中国の株価動向にも注目している。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。今週発表された5月のCPIは、市場予想や前月よりも大幅に低下し、前年比で6.3%の上昇に抑えられた。また、食料インフレも依然として高水準ながらも1年超ぶりの上げ幅まで抑えられた。インフレ抑制は南アにとっては久々の経済的なポジティブニュース。ただ、依然として米国を始め西側諸国からの制裁リスクも残っている。一方的なZAR買いにはなりにくく、来週は今週のレンジ内でもみ合いとなる可能性が高い。
なお、経済指標では、29日に4-6月期BER消費者信頼感と5月卸売物価指数(PPI)、30日に5月貿易収支などが発表される。
6月19日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。20日に発表されたRBA議事要旨で、「利上げ決定は微妙なバランスであった」ことが明らかになり、豪ドル売りを誘ったほか、軟調な株式市場の動きが重しになった。豪ドル円は97円半ばから95円後半までじり安となったものの、その後は下値を切り上げている。豪ドル/ドルは0.68ドル後半から0.67ドル半ばまで弱含んだ。
ZARは、週初は調整の買いが優勢となり、対円では1月中旬以来となる7.82円まで強含んだ。ただ、弱い株式市場の動きや、これまでの調整買いの勢いが急速だったこともあり、週後半は徐々に上げ幅を縮めた。(了)
◆豪ドル、米・中を含む株式市場の動きにも注目
◆ZAR、CPI低下はポジティブも、制裁リスク残りもみ合い
予想レンジ
豪ドル円 94.00-100.00円
南ア・ランド円 7.50-7.90円
6月26日週の展望
豪ドルは、対円を中心に堅調地合いを維持できるかに注目。今週の豪ドルは対円で上値が抑えられたが、日豪の金融政策の方向性の違いが豪ドルの支えとなるかを見極めることになりそうだ。来週も円安地合いが続けば、豪ドル円は2014年以来となる100円を目指す展開も予想される。
来週注目されるのが、28日に発表予定の5月の豪消費者物価指数(CPI)。月次の数字は昨年12月の+8.4%をピークに今年3月には+6.3%まで低下したが、4月になると燃料価格の高騰と住宅価格の大幅上昇を受けて+6.8%まで再び上昇に転じた。
今月行われた豪準備銀行(RBA)理事会では、利上げと据え置きの主張が拮抗した。先週発表された5月の豪雇用統計は失業率が予想や前回の3.7%から3.6%まで低下し、新規雇用者数も大幅に増加。中でも常勤雇用者の増加が目立つなど、軒並み好結果だった。5月のインフレ率も高止まりするようなことになれば、7月4日に行われるRBA理事会では、6月に続き利上げを決定する可能性が高まる。
今週講演を行ったブロックRBA副総裁は「雇用はインフレ目標との整合性を考慮した水準を超えている」「インフレが定着すれば、金利の上昇、深刻な景気後退や失業率の上昇を招くだろう」と発言。6月の理事会よりもタカ派に傾いている可能性が高い。CPIが強い結果になれば豪ドルは支えられそうだ。なお、CPI以外では29日に小売売上高が発表される。
また、引き続き豪ドルはリスクに敏感な動きを繰り返しており、株式市場の値動きにも左右されることになりそうだ。豪州だけでなく米国や中国の株価動向にも注目している。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いとなりそうだ。今週発表された5月のCPIは、市場予想や前月よりも大幅に低下し、前年比で6.3%の上昇に抑えられた。また、食料インフレも依然として高水準ながらも1年超ぶりの上げ幅まで抑えられた。インフレ抑制は南アにとっては久々の経済的なポジティブニュース。ただ、依然として米国を始め西側諸国からの制裁リスクも残っている。一方的なZAR買いにはなりにくく、来週は今週のレンジ内でもみ合いとなる可能性が高い。
なお、経済指標では、29日に4-6月期BER消費者信頼感と5月卸売物価指数(PPI)、30日に5月貿易収支などが発表される。
6月19日週の回顧
豪ドルは上値が抑えられた。20日に発表されたRBA議事要旨で、「利上げ決定は微妙なバランスであった」ことが明らかになり、豪ドル売りを誘ったほか、軟調な株式市場の動きが重しになった。豪ドル円は97円半ばから95円後半までじり安となったものの、その後は下値を切り上げている。豪ドル/ドルは0.68ドル後半から0.67ドル半ばまで弱含んだ。
ZARは、週初は調整の買いが優勢となり、対円では1月中旬以来となる7.82円まで強含んだ。ただ、弱い株式市場の動きや、これまでの調整買いの勢いが急速だったこともあり、週後半は徐々に上げ幅を縮めた。(了)