NY為替見通し=金利差を意識した値動きに、主要中銀トップが討議参加

 本日のニューヨーク為替市場では、日本と主要国の金利差を意識した値動きが続くか。ポルトガル・シントラで開かれている欧州中央銀行(ECB)主催のECBフォーラムは本日が最終日。そこでは日本時間22時30分から日米欧英の中銀トップが参加するパネル討議が行われる予定であり、話し合いの内容が注目される。

 日銀が大規模な金融緩和を継続している一方、他の2カ国1地域の金融当局者はタカ派スタンスを強めつつある。市場は素直に円売り/ドル・ユーロ・ポンド買いに動いており、ドル円は144円前半、ユーロ円が158円手前、ポンド円は183円後半まで上値を伸ばした。もし緩和の出口戦略について植田日銀総裁が質問を受けた場合、まだ先との考えを強調するようならば、円安進行が速まることになりそうだ。

 ほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は直近のドット・プロットで示された年内2回利上げについて、7月利上げほぼ確実としたラガルドECB総裁は9月以降のスタンスに関しての発言がポイントか。また、大幅利上げを先週実施したばかりのベイリー英中銀(BOE)総裁は、これまでは「年末向けてインフレは急速に低下する」としていた見通しに変化があるか注視したい。

 ただ討議終了後の材料出尽くし感には注意しておきたい。パウエルFRB議長が先週の議会証言以上のことを言うとも思えず、ラガルドECB総裁も昨日の基調講演を外れた見解は当然ながら示さないだろう。

想定レンジ上限
・ドル円は144.72円、ユーロ円が158.96円、ポンド円は184.75円とそれぞれのピボットレジスタンス2。

想定レンジ下限
・ドル円は143.29円、ユーロ円が156.40円、ポンド円は182.24円とそれぞれの昨日安値。


(小針)
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