週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、金利先高観が支え
◆豪ドル、金利据え置きもインフレ警戒姿勢は維持
◆RBNZ、声明文ではインフレ関連に注目
◆南ア、電力負荷制限は弱まるも先行きは不透明
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 7.40-7.80円
7月10日週の展望
豪ドルは対円を中心に下値の堅い動きとなりそうだ。豪準備銀行(RBA)は今週開催された金融政策決定理事会で、政策金利を現行の4.10%で据え置くことを決定した。もっとも、同時に公表された声明文では「インフレ率はピークを過ぎ、5月CPIではさらなる低下を示した」と前置きしつつも、「インフレ率は依然として高過ぎる」「今後もしばらくはその状態が続くだろう」などと言及。インフレへの警戒姿勢は維持した上で「金融政策のさらなる引き締めが必要になるかもしれない」と述べており、今後の追加利上げの可能性についても示唆した。
こうしたRBAの姿勢を受けて、短期金融市場では年末にかけてあと1-2回程度の利上げを織り込みつつある。豪金利の先高観が維持されていることは豪ドル相場を下支えするだろう。年内に同程度の利上げが予想されている米国と大きな違いはないものの、大規模な金融緩和政策を継続している日銀とは明確な方向性の違いがあり、持続的な円売り・豪ドル買い要因として意識されそうだ。なお、来週は11日に7月ウエストパック消費者信頼感指数や6月NAB企業景況感指数が発表予定となっているが、いずれも豪ドル相場への影響は限られるだろう。
隣国NZでは、来週12日にNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策を発表する。前回の会合では5.50%まで政策金利が引き上げられたが、その際の声明文で「金利はピークに達しており、2024年半ばまで当面の間は金利が据え置かれる」との見方を示した。今回の会合でも大きな変更点はないと予想されるが、RBNZが注視している「インフレの動向・見通し」については注意が必要。文言の細かな変更などから市場が利下げ時期の予想を早める、もしくは後ずれさせることによってNZドル相場が動意づく可能性はあるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開となりそうだ。6月半ば以降のZARは対ドルで弱含み、対円ではドル円の上昇が相場を支えてもみ合い気味の推移が続いている。ドル円相場の動向がZAR円の鍵を握りそうだが、現在の145円手前での横ばい基調が継続すれば、対ドルでのZAR弱含み分がそのままZAR円の重しになりかねない。
南ア国内の材料としては電力の計画停電(負荷制限)がやや弱まっていることがプラス材料として捉えられている。国営電力会社エスコムは再生可能エネルギー・プロジェクトでさらに3段階分の負荷制限の軽減が可能としているが、同社の送電網がすでに枯渇気味であることから十分な成果が得られるか不透明な状況だ。
7月3日週の回顧
豪ドルは方向感の乏しい動き。4日のRBA金融政策の公表直後には豪ドル売りの反応が見られたが、すぐに切り返して反発するなど影響は長続きしなかった。一方で、週央からは全般にドル買いが強まった影響から伸び悩むなど上値も限定的だった。ZARはしばらく対ドル・対円でともにもみ合いとなっていたが、週末にかけては対ドルを中心に弱含んだ。(了)
◆RBNZ、声明文ではインフレ関連に注目
◆南ア、電力負荷制限は弱まるも先行きは不透明
予想レンジ
豪ドル円 94.00-99.00円
南ア・ランド円 7.40-7.80円
7月10日週の展望
豪ドルは対円を中心に下値の堅い動きとなりそうだ。豪準備銀行(RBA)は今週開催された金融政策決定理事会で、政策金利を現行の4.10%で据え置くことを決定した。もっとも、同時に公表された声明文では「インフレ率はピークを過ぎ、5月CPIではさらなる低下を示した」と前置きしつつも、「インフレ率は依然として高過ぎる」「今後もしばらくはその状態が続くだろう」などと言及。インフレへの警戒姿勢は維持した上で「金融政策のさらなる引き締めが必要になるかもしれない」と述べており、今後の追加利上げの可能性についても示唆した。
こうしたRBAの姿勢を受けて、短期金融市場では年末にかけてあと1-2回程度の利上げを織り込みつつある。豪金利の先高観が維持されていることは豪ドル相場を下支えするだろう。年内に同程度の利上げが予想されている米国と大きな違いはないものの、大規模な金融緩和政策を継続している日銀とは明確な方向性の違いがあり、持続的な円売り・豪ドル買い要因として意識されそうだ。なお、来週は11日に7月ウエストパック消費者信頼感指数や6月NAB企業景況感指数が発表予定となっているが、いずれも豪ドル相場への影響は限られるだろう。
隣国NZでは、来週12日にNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策を発表する。前回の会合では5.50%まで政策金利が引き上げられたが、その際の声明文で「金利はピークに達しており、2024年半ばまで当面の間は金利が据え置かれる」との見方を示した。今回の会合でも大きな変更点はないと予想されるが、RBNZが注視している「インフレの動向・見通し」については注意が必要。文言の細かな変更などから市場が利下げ時期の予想を早める、もしくは後ずれさせることによってNZドル相場が動意づく可能性はあるだろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開となりそうだ。6月半ば以降のZARは対ドルで弱含み、対円ではドル円の上昇が相場を支えてもみ合い気味の推移が続いている。ドル円相場の動向がZAR円の鍵を握りそうだが、現在の145円手前での横ばい基調が継続すれば、対ドルでのZAR弱含み分がそのままZAR円の重しになりかねない。
南ア国内の材料としては電力の計画停電(負荷制限)がやや弱まっていることがプラス材料として捉えられている。国営電力会社エスコムは再生可能エネルギー・プロジェクトでさらに3段階分の負荷制限の軽減が可能としているが、同社の送電網がすでに枯渇気味であることから十分な成果が得られるか不透明な状況だ。
7月3日週の回顧
豪ドルは方向感の乏しい動き。4日のRBA金融政策の公表直後には豪ドル売りの反応が見られたが、すぐに切り返して反発するなど影響は長続きしなかった。一方で、週央からは全般にドル買いが強まった影響から伸び悩むなど上値も限定的だった。ZARはしばらく対ドル・対円でともにもみ合いとなっていたが、週末にかけては対ドルを中心に弱含んだ。(了)