ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、3日続落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は141.31円と前営業日NY終値(142.21円)と比べて90銭程度のドル安水準だった。一時は4.08%台まで上昇した米10年債利回りが3.98%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。前週末の安値142.07円や一目均衡表基準線が位置する141.92円を下抜けて一時141.28円まで値を下げた。NY連銀の最新調査で、1年後のインフレ期待が6月に3.8%と前回の4.1%から低下し、2021年4月以来の低水準を付けたことも相場の重しとなった。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「高すぎるインフレを引き下げるために、年内あと2回の利上げが必要となる公算が大きい」との見解を示したほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレ率を下げるには追加の金融引き締めが必要」などと発言。また、バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)は「金利は適切な水準に近づいているものの、まだ幾分やるべきことがある」などと述べたものの、相場の反応は限られた。

 ユーロドルは3日続伸。終値は1.1001ドルと前営業日NY終値(1.0967ドル)と比べて0.0034ドル程度のユーロ高水準だった。独長期金利が上昇した一方、米長期金利が低下したため、欧米金利差縮小への思惑からユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前週末の高値1.0973ドルを上抜けると、一時1.1001ドルと日通し高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時101.95と6月22日以来の低水準を付けた。

 ユーロ円は5日続落。終値は155.47円と前営業日NY終値(155.94円)と比べて47銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出たことで一時155.33円と本日安値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時181.10円、豪ドル円は94.11円、NZドル円は87.66円、カナダドル円は106.39円、スイスフラン円は159.25円、南アフリカランド円は7.49円まで値を下げた。トルコリラ円は一時5.41円と史上最安値を記録した。

本日の参考レンジ
ドル円:141.28円 - 143.01円
ユーロドル:1.0944ドル - 1.1001ドル
ユーロ円:155.33円 - 156.67円

(中村)
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