ニューヨーク外国為替市場概況・12日 ドル円、5日続落

 12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続落。終値は138.50円と前営業日NY終値(140.36円)と比べて1円86銭程度のドル安水準だった。6月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年同月比3.0%と予想の前月比0.3%/前年同月比3.1%を下回ったことが伝わると、米金利の低下とともに全般ドル売りが進行。米10年債利回りが3.84%台まで低下したことも相場の重しとなり、1時前に一時138.16円と5月22日以来の安値を付けた。市場では「日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強く、円買い・ドル売りを誘った」との声も聞かれた。

 ユーロドルは5日続伸。終値は1.1129ドルと前営業日NY終値(1.1009ドル)と比べて0.0120ドル程度のユーロ高水準だった。米CPIが予想以上に鈍化したことを受けて全般ドル売りが優勢となった。3時30分過ぎに一時1.1140ドルと昨年3月以来の高値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.51と昨年4月以来の安値を記録した。

 ユーロ円は7日続落。終値は154.14円と前営業日NY終値(154.52円)と比べて38銭程度のユーロ安水準。ただ、NY市場に限ればドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、大きな方向感が出なかった。21時30分過ぎに一時153.49円と6月16日以来の安値を付けたものの、22時過ぎには154.28円付近まで下げ渋っている。

 カナダドル円は頭が重かった。ドル円の下落につれた円買い・カナダドル売りが優勢になると、24時30分過ぎに一時104.79円と日通し安値を更新した。
 なお、カナダ銀行(BOC)はこの日、市場予想通り政策金利を現行の4.75%から5.00%に引き上げることを決めたと発表。声明では「コアインフレの動向と物価見通しを引き続き評価する」「超過需要やインフレ期待、賃金の伸び、企業の価格戦略が物価目標の達成に整合的かどうかをとりわけ慎重に見極める」との文言を維持した。また、マックレムBOC総裁は会見で「必要に応じて、再度利上げする準備ができている」と述べ、利上げ継続の可能性も示唆した。

本日の参考レンジ
ドル円:138.16円 - 140.39円
ユーロドル:1.1004ドル - 1.1140ドル
ユーロ円:153.49円 - 154.60円

(中村)
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