ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、4日続伸

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。終値は144.75円と前営業日NY終値(143.73円)と比べて1円02銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)が総合・コアともに前年比で予想を下回ったことが伝わると、全般ドル売りが先行。一時143.30円と日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値143.00円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。米CPIの結果を受けて米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの警戒感が和らぐと、ダウ平均が一時450ドル超上昇。リスク・オンの円売りも広がった。
 その後、ダウ平均は急速に伸び悩んだものの、米30年債入札が低調だったことを受けて米長期金利が上昇したためドル買いの様相が強まった。5時過ぎには一時144.82円と7月3日以来の高値を付けた。
 なお、米10年債利回りは米CPI公表直後に3.9417%前後まで低下したものの、米30年債入札の結果を受けて4.1113%前後まで上昇した。

 ユーロドルは小幅ながら続伸。終値は1.0981ドルと前営業日NY終値(1.0974ドル)と比べて0.0007ドル程度のユーロ高水準だった。7月米CPIが前年比で予想を下回ると、当初はドル売りが優勢となり一時1.1065ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、買い一巡後は上値が重くなった。米長期金利が上昇に転じたことでユーロ売り・ドル買いがじわりと強まり、一時1.0976ドル付近まで下押しした。
 なお、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「CPIは予想通りで、朗報」「インフレデータは正しい方向に向かっている」とした一方、「インフレに関してまだやるべき仕事がある」「利下げに関する議論には程遠い」との考えを示した。

 ユーロ円は4日続伸。終値は158.95円と前営業日NY終値(157.76円)と比べて1円19銭程度のユーロ高水準。イタリア政府が同国銀行への追加課税を一部撤回したことで投資家心理が改善しており、この日もユーロ買いが先行した。米国株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると全般円売りが強まり、23時過ぎに一時159.21円と2008年9月以来約15年ぶりの高値を更新した。その後の下押しも158.77円付近にとどまった。

本日の参考レンジ
ドル円:143.30円 - 144.82円
ユーロドル:1.0967ドル - 1.1065ドル
ユーロ円:157.66円 - 159.21円

(中村)
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