ロンドン為替見通し=序盤の英指標に注目、ポンドドルは下サイドにポイント多し

 本日のロンドン為替市場では、序盤に発表される複数の英経済指標がまずは市場のセンチメントを左右しそうだ。ポンドドルは昨日、7月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて1.28ドル前半まで値を上げる場面があった。ただしその後に米長期金利が上昇したことが重しとなり、1.26ドル台まで上値を切り下げている。昨日は上ヒゲを作って3日続落し、地合いの弱さが印象付けられた後なだけに、弱い英指標にポンドはより敏感に反応するのではないか。

 注目したいところは、前期比で前回小幅プラスから「横ばい」まで減速が予想されている4-6月期英国内総生産(GDP)。もしマイナス圏まで沈むようだと、高金利による弊害が意識されるだろう。ほか、足もとの経済動向を知るうえでは6月鉱工業生産にも目を向けておきたい。前月比では前回マイナスからプラス回復が見込まれ、前年比も市場予想の-1.1%に沿った結果となれば昨年1月以来のマイナス幅縮小となる。

 なおポンドドルの日足チャートをみると、下サイドに重要なポイントが幾つか見受けられる。昨日安値の下1.2665ドルは日足一目均衡表・雲の上限、1.2633ドルに90日移動平均線、また1.2621ドルは3日につけた6月末以来の安値だ。また大台割れも6月29日安値1.2591ドルから雲の下限1.2579ドル辺りまでは支持帯として意識されるか。

 ユーロについては、対ドルでは方向感を探る動き。昨日は1.1060ドル台まで上げたところから失速し、結局1.09ドル後半で引けた。それよりも、市場の関心は対円での堅調さが続くかだろう。昨日159円前半まで上昇し、2008年以来の160円が視野に入ってきた。欧州株が続伸すれば、意外とあっさり達成してしまうかもしれない。

想定レンジ上限
・ポンドドルは昨日高値1.2819ドル
・ユーロ円は心理的節目160円

想定レンジ下限
・ポンドドルは6月29日安値1.2591ドル
・ユーロ円は7月21日高値158.05円


(小針)
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