ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、ほぼ横ばい

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円はほぼ横ばい。終値は145.57円と前営業日NY終値(145.56円)と比べて1銭程度のドル高水準だった。予想を上回る7月米小売売上高をきっかけにドル買いが先行すると一時145.82円付近まで値を上げたものの、同時に発表された8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を下回ったことが分かるとすぐに失速した。日本時間夕刻に付けた年初来高値145.87円がレジスタンスとして意識された面もあった。市場では「政府・日銀が昨年9月に為替介入に踏み切った145円台後半では介入警戒感が強まっている」との声も聞かれた。
 その後発表された8月米NAHB住宅市場指数が予想より弱い内容となったことが分かると一段とドル売りが進み、24時前には145.11円と日通し安値を更新した。
 ただ、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めにするとの観測が後退する中、米長期金利が上昇傾向を維持すると再びドル買いが優勢に。145.00円に観測されているオプション絡みの買いも相場を下支えし、4時過ぎには145.67円付近まで持ち直した。

 ユーロドルもほぼ横ばいだった。終値は1.0905ドルと前営業日NY終値(1.0906ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ安水準。予想を上回る米小売指標を受けて一時1.0898ドルと日通し安値を付けたものの、そのあとは低調な米指標を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが進み、1.0953ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、前日の高値1.0961ドルが目先レジスタンスとして働くと再び弱含んだ。米金利上昇に伴うドル買いも根強く、4時30分過ぎには1.0899ドル付近まで押し戻された。
 なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「インフレ率は現在、鈍化しつつある。順調な進展を一定程度遂げてきた」と述べた一方、「インフレ率は依然として高過ぎる」との認識を示した。

 ユーロ円は3営業日ぶりに小反発。終値は158.78円と前営業日NY終値(158.74円)と比べて4銭程度のユーロ高水準だった。欧州時間に一時159.34円と2008年8月以来15年ぶりの高値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると上値が重くなった。ダウ平均が一時400ドル近く下落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが入り、一時158.69円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:145.11円 - 145.87円
ユーロドル:1.0898ドル - 1.0953ドル
ユーロ円:158.54円 - 159.34円

(中村)
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