ニューヨーク外国為替市場概況・16日 ドル円、9カ月ぶり高値

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は146.35円と前営業日NY終値(145.57円)と比べて78銭程度のドル高水準だった。米長期金利が上昇傾向を強める中、5時前に一時146.41円と昨年11月以来9カ月ぶりの高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)が発表した7月米鉱工業生産が予想を上回ったことなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。7月25-26日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で「大半の当局者はインフレに著しい上振れリスクがあるとみている」「インフレリスクによりさらなる金融引き締めが必要となる可能性がある」との見解が示されると、FRBによる金融引き締めが長期化するとの観測が高まりドル買いが加速した。
 なお、市場では「夏季休暇で取引参加者が減少しており、市場流動性が低下。薄商いとなる中、値が振れやすい面がある」との声が聞かれたほか、「円安に歯止めをかけるため、政府・日銀が為替介入に踏み切るかどうかが焦点となっている」との指摘があった。

 ユーロドルは下落。終値は1.0879ドルと前営業日NY終値(1.0905ドル)と比べて0.0026ドル程度のユーロ安水準だった。独10年債利回りが2.65%台まで低下した一方、米10年債利回りが4.27%台と昨年10月24日以来の高水準を記録すると、欧米金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。4時30分前に一時1.0872ドルと7月7日以来の安値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.53と7月6日以来の高値まで上昇した。

 ユーロ円は続伸。終値は159.22円と前営業日NY終値(158.78円)と比べて44銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの下落につれた売りが出たものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると一時159.26円と日通し高値を更新した。
 ポンド円は一時186.34円と2015年12月以来7年8カ月ぶりの高値を更新した。前日の4-6月の賃金上昇率(ボーナスを除く)や本日の7月英消費者物価指数(CPI)を受けて、英中銀(BOE)による追加利上げ観測が高まると円売り・ポンド買いが広がった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.31円 - 146.41円
ユーロドル:1.0872ドル - 1.0935ドル
ユーロ円:158.64円 - 159.26円

(中村)
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