NY為替見通し=明日の米CPIや来週のFOMCを控えるなか方向感が出にくい

 NYタイムは、明日13日に8月米消費者物価指数(CPI)発表、来週19-20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、大きな動意につながりそうな主要な米経済指標の発表も今夜はないことから、為替は明確な方向感が出にくいだろう。米金利や株価動向などをにらんだ神経質な推移か。

 11日にNY連銀が公表した消費者調査による1年先のインフレ期待は3.6%と、前回の3.5%よりやや弱かった。一方で3年先のインフレ期待は2.8%と前月の2.9%から小幅に強まった。まちまちの結果で、総じてインフレ期待が落ち着きつつあると受け止めることができる内容だった。

 現時点の8月米CPIの市場予想はヘッドラインの総合は7月より強めだが、コア指数は前月比で+0.2%と7月並み、前年比では+4.3%と7月の+4.7%より伸びが鈍化するとの見方。このあたりからも少しずつインフレが落ち着くとの期待がうかがわれつつあるものの、そのように受け止められる結果となるか数字の発表を待つ状態にある。

 米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者による10日付の観測記事「米連邦準備理事会(FRB)は利上げに慎重になりつつある」が材料視されたこともドルの先高観を後退させる要因である一方、欧州の成長見通し引き下げが対ユーロでのドルの底堅さにつながり、ドルインデックスなどドル相場の総体的な底堅さにつながりそうでもある。いずれにしろ見方や期待が交錯するなか、基本的には限定的なレンジで推移しそうな状態。手控え感が強まるなか値が飛びやすくなるリスクには注意したい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、7・8日高値147.87円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、11日安値145.91円。

(関口)
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