ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、上昇

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は147.85円と前営業日NY終値(147.47円)と比べて38銭程度のドル高水準だった。東京時間に伝わった「植田日銀総裁の発言と市場解釈にギャップがある。日銀の認識はほぼ変わっていない」との一部報道が意識される中、米10年債利回りが4.33%台まで上昇すると円売り・ドル買いが優勢となった。20時前には一時147.95円と昨年11月4日以来約10カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、この日発表の米経済指標は9月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や8月米輸入物価指数は予想を上回った一方、9月米ミシガン大学消費者態度指数(速報値)は予想を下回るなど、強弱入り混じる内容となった。売りと買いが交錯し、NY時間は147円台後半でのもみ合いに終始した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.0657ドルと前営業日NY終値(1.0643ドル)と比べて0.0014ドル程度のユーロ高水準だった。前日は欧州中央銀行(ECB)定例理事会をきっかけに、「現在の利上げサイクルが終了した」との見方が広がり、一時1.0632ドルと3月20日以来約半年ぶりの安値を付けたものの、本日は週末を控えたポジション調整目的の買いが優勢となった。ラガルドECB総裁が「利下げは議論していない」と述べたほか、「金利についてはデータ次第」と改めて強調したことも買い戻しを促し、23時過ぎに一時1.0688ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、引けにかけては1.0657ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は反発。終値は157.58円と前営業日NY終値(156.97円)と比べて61銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、前日にユーロ全面安となった反動が出た。ラガルドECB総裁の発言を受けて、「ECBの利上げ打ち止め観測がやや後退した」との指摘もあった。1時30分前には一時157.90円と日通し高値を付けた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.34円 - 147.95円
ユーロドル:1.0633ドル - 1.0688ドル
ユーロ円:156.73円 - 157.90円

(中村)
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